ネジが「なめる」ってどういうこと?
DIY作業中、ドライバーでネジを回そうとしたら、ネジの頭が潰れてしまって回らない…そんな経験はありませんか?
これを「ネジがなめた」と言います。
ネジがなめる原因はさまざまですが、主に以下のような理由があります。
- ドライバーのサイズが合っていない
- 無理に力を入れて回そうとした
- ネジが錆びついていた
- 繰り返し締めたり緩めたりした
特に初心者の方は、力加減や工具選びで失敗しやすく、気づかないうちにネジ頭を潰してしまいがちです。
私が実際になめたネジを外した話、ベッセルのなめたねじ外しを使用してます。
なぜネジはなめてしまうのか?原因を徹底解説
「なめる」とは、ドライバーを差し込む溝が削れてツルツルになり、力が伝わらなくなる状態のこと。
DIY初心者だけでなく、慣れている人でもついやってしまうトラブルです。
プラス・マイナスネジが特に弱い理由
家庭や家具に多いプラスネジ・マイナスネジは、そもそも溝の構造がシンプル。
そのためトルクを強くかけすぎると、溝が一気に削れてしまいます。
特に安価なネジは金属が柔らかく、わずかな角度のズレでも簡単になめてしまうのです。
電動ドライバーやインパクトのトルクが強すぎる場合
「電動だからラク!」と油断すると、あっという間になめます。
特にインパクトドライバーは一瞬で大きなトルクがかかるため、サイズが合っていてもネジ頭を潰すことがあります。
最初は低速・低トルクで回すのが鉄則です。
工具サイズの選び間違い
プラスドライバーでよくあるのが「No.2を使うべきところをNo.1で回してしまう」ミス。
ほんの少しサイズが違うだけで、ドライバーが奥まで噛まず、結果的にネジを潰してしまいます。
これは初心者に限らず、急いで作業している時にもよく起こります。
ネジがなめた時の対処法【難易度別】
ネジがなめてしまったとき、「もうダメだ!」と焦る前に、まずは身近なもので試せる応急処置があります。
ちょっとした工夫で意外と外れてくれることもあるので、ぜひ順番にチャレンジしてみましょう。
輪ゴムをかませる(摩擦力アップの裏ワザ)
もっとも有名で簡単な方法が「輪ゴムを使う」テクニック。
なめたネジの溝に輪ゴムをかませ、その上からドライバーを押し当てて回すと、ゴムの摩擦でドライバーがしっかり噛んでくれることがあります。
特に浅くつぶれたネジには有効。お金もかからず試せるので、まずはここから。
やり方
- ネジの上に輪ゴム(できるだけ幅広でしっかりしたもの)をかぶせる。
- その上から、ドライバーを押しつけながらゆっくり回す。
ゴムが滑り止めの役割を果たし、空回りしなくなる場合がありますが、自分が試したときはうまくできませんでした・・・
ゴム手袋や布を挟んで回す
輪ゴムが手元にないときは、ゴム手袋や布をネジ頭とドライバーの間に挟んで回すのも有効です。
「ちょっと引っかかりが足りないな…」という時に、摩擦を補強してくれます。
ただし布を厚くしすぎると逆に噛み合わないので注意。
【少し工夫】貫通ドライバー+ハンマー
なめたネジの溝にドライバーを当て、ハンマーで軽くトントンと叩くと、先端が食い込みやすくなります。
ドライバーが滑らずに固定されるので、回すときにしっかりトルクをかけられるようになります。
ただし叩きすぎるとネジ頭や部材を傷つけるので「軽く」がコツ。
やり方
- 貫通ドライバー(持ち手の先まで金属が通っているタイプ)をネジにしっかり当てる。
- ハンマーでドライバーのお尻をトントンと叩く。
- 衝撃でネジが動きやすくなるので、再度ゆっくり回す。
ネジが錆びついて固着している場合に有効です。
それ以外にも、貫通ドライバーでガンガン叩いて、ねじのなめた部分を復活させて、回る場合もあります、まだそんなにひどくない状態のねじならこれでいける時もあります!
貫通ドライバーについては是非この記事を読んでみてください!
専用工具で確実に外す!【初心者でも使える】
応急処置を試してもダメな場合、ここからは専用工具の出番です。
正直、ホームセンターやAmazonで数千円で買える道具をひとつ持っておくだけで「二度と困らない」と言えるくらい、専用工具は強力です。
ネジ外しビット(ANEXなど)
電動ドライバーやインパクトに装着して使う「ネジ外しビット」は、DIY好きなら必ず持っておきたいアイテムです。
ドリルで軽く穴を食い込ませて逆回転させれば、つるつるになったネジでもスルッと外れてくれます。
特にバイクや車の整備では「錆びて回らないネジ」「固着してしまったボルト」に効果的。
小さなセットでも数種類のサイズが入っているので、一本持っておくと安心です。
※電動ドライバーやインパクトを持っていないとなめたネジに穴があけ開けられないのでご注意を!
アネックス(ANEX) なめたネジはずしビット M2.5~5 2本組 ANH-S1
これは実際に私がよく使用しているツールで、過去に何度もこれのおかげでなめたネジを救済できました!
持っておいて損はないです!
ベッセル(VESSEL)ネジはずしビット3本組 なめたネジ つぶれたネジM3~M8用 NEJ-123
こちらも同じように、なめたネジが簡単に外せるツール!
面白いように外れます!
ネジザウルス(ペンチ型の救世主)
手動で確実に外すなら「ネジザウルス」が定番。
普通のペンチと違って、先端に縦のギザ刃が刻まれているので、潰れたネジの頭をガッチリ掴んで回すことができます。
家具・家電・自転車など、身近なDIYシーンで「ドライバーが効かない!」という時に頼れる存在。
サイズ展開も豊富で、家庭用ならスタンダードサイズで十分。精密機器用や大型ネジ対応のモデルもあるので用途に合わせて選びましょう。
ENGINEER エンジニア ネジザウルスSE なめたネジ/潰れたネジ/錆びたネジ φ3~11mm用 PZ-22
ネジの頭を横からガッチリ掴み、回して外す専用ペンチ。
特に、ネジの頭が少し出ている場合に有効です。
ENGINEER エンジニア ネジザウルスGT なめたネジ/潰れたネジ/錆びたネジ φ3~9.5mm用 PZ-58 グリーン
ドリルで頭を飛ばす最終手段
どうしても外れない場合の奥の手が「ネジ頭をドリルで飛ばす方法」です。
ネジの頭だけを削り落とし、部材を外してからシャフト部分をペンチで抜くという手順。
これは最終手段ですが、知っておくと「もう終わりだ…」と思ったときでも冷静に対処できます。
ただし、削りすぎて周りの部材を傷めないように注意が必要。保護メガネは必須です。
【最終手段】ネジ頭を削る、ドリルで除去
どうしても外れない場合は、ネジ頭を切断 or 削る方法もあります。
具体例
- リューター(小型電動工具)でネジ頭をカット
- ドリルでネジ頭に穴を開けて破壊
- サンダーで切り込みを入れてマイナスドライバーで回す
これは部材を傷つけるリスクがあるので、最後の手段と考えましょう。
番外編・・・ 使える? 使えない?
使う人によってレビューもそれぞれだが・・・
試してみる価値はある! かもしれない・・・
コニシ(KONISHI) ボンド ネジやま救助隊 ネジはずし 15g #75004
アネックス(ANEX) なめたネジはずし 精密用 ハンドル付 M1~2.6 No.3610-N
これはかなり評判良いですね!
ミニ四駆 Switch メガネ等、凄く小さいネジに対応してます!
シーン別おすすめ工具と選び方
なめたネジを外すとき、状況に合った工具を選べば成功率はぐっと高まります。
ここでは「どんな場面で、どの工具を使うべきか」を具体的に見ていきましょう。
小ネジ・精密機器なら「精密ネジ外しビット」
時計、メガネ、ゲーム機などの小さなネジは、普通のドライバーやペンチでは対応できません。
こうした場合は 精密ネジ外しビット を使うと安心です。
電動ドライバーに装着できるタイプもあり、電子機器の分解や修理に役立ちます。
👉 アネックス(ANEX) なめたネジはずし 精密用 ハンドル付 M1~2.6 No.3610-N
家具や家電なら「ネジザウルス」
家具の組み立てや家電修理で出てくる中サイズのネジは、ネジザウルスの出番です。
ドライバーで回らなくなったネジ頭をガッチリ掴み、手動で回せるのが強み。
「応急処置ではもう無理」という状況でも高確率で外せます。
👉 ENGINEER エンジニア ネジザウルスGT なめたネジ/潰れたネジ/錆びたネジ φ3~9.5mm用 PZ-58 グリーン
バイクや車なら「インパクト対応のネジ外しビット」
バイク整備や車DIYでは、固着して錆びついたボルトやネジに出会うことが多いです。
こうしたケースでは インパクトドライバー対応のネジ外しビット が頼れる存在。
強力なトルクで一気に食いつき、回せる確率が高いのが特徴です。
👉 アネックス(ANEX) なめたネジはずしビット M2.5~5 2本組 ANH-S1
どんな場面でも安心なのは「常備セット」
どの場面でトラブルに出会うか分からないのがDIY。
「精密用」「家庭用」「インパクト用」をカバーしたセットを1つ持っておけば、ほぼ全てのシーンに対応できます。
初めて買うなら、この「万能セット」から入るのが安心です。
ネジの種類によって変わる対処法のコツ
「ネジがなめた」といっても、そのネジの種類によって対処法は少しずつ異なります。
ここでは、DIYでよく使われるネジのタイプ別に「なめやすい状況」や「適した外し方」を紹介します。
プラス・マイナスネジの場合
このタイプのネジは、家具や家電、バイクや自転車など、DIYでもっともよく使われます。
記事前半でも紹介したように、輪ゴム・貫通ドライバー・ネジ外しビットなどが基本対処法となりますが、ここでは**よくある原因と“防止のコツ”**をさらに深掘りしてみましょう。
🔸 なめやすい原因
- ドライバーのサイズがネジに合っていない(特に#1と#2の誤使用が多い)
- ドライバーの角度がズレて、溝の片方だけに力がかかる
- 安価なネジや細ネジで、十字の溝が浅く、強度が低い
- 電動ドライバー・インパクトドライバーで強すぎる回転トルクをかけた
👉 特に最後の「電動の力によるなめ」は、サイズが合っていても簡単に起こります!
回転が速すぎると、ネジ頭に食い込む前に空回りして潰れてしまうんです。
🔸 防止のコツ
- 最初の締め始め・緩め始めは、必ず手回しで位置決め&押し付け
- 電動ドライバーを使う場合は、低速モード or トルク調整付きの機種を選ぶ
- インパクトドライバーを使う時は、そもそもナメやすいネジには使わない方が無難
📝 補足:
「電動=便利」ですが、初心者こそ手動ドライバーとの併用が大事です。
失敗を防ぐなら、「最初と最後は手回し」を合言葉にしておくと安心です😊
六角・トルクスネジなど特殊ネジの場合
DIY中級者以上の作業や、バイク・自転車・家具の組み立てでよく見かけるのが、六角ネジやトルクスネジといった特殊タイプのネジです。
見た目は「これ、なめにくそう!」と思いがちですが、実は一度なめると厄介なタイプでもあります。
🔸 なめやすい原因
- 六角レンチやトルクスビットの差し込みが甘い(奥まで入っていない)
- 先端が摩耗した工具を使っている
- 強すぎるトルクをかけて、ネジ穴の角を丸めてしまう
- 角度がズレたまま無理に回した
👉 特に六角ネジは、「片側だけ角が潰れて空転する」ことが多く、一気に回らなくなるケースが多発します。
🔸 対処法のコツ
- 六角ネジが少し潰れた程度なら、サイズ違いの六角棒レンチ(国産→インチ or 逆)を叩き込む
- トルクスネジなら、「トルクスなめた専用のビット」や「エキストラクター」で抜く方法が有効
- 頭が出ている場合は、ネジザウルスで掴んで回すのがいちばん手っ取り早い
🔸 防止のコツ
- 差し込む前に「工具の先端が摩耗してないか」をチェック!
- 特に六角は、安物レンチを長年使ってると先が丸くなっていることが多いので要注意
- 締めるときも外すときも、しっかり奥まで差し込んでから真っ直ぐ回すのが基本!
📝 補足:
このタイプのネジは「見た目は強そうだけど、精度が命」です。
工具の状態・差し込みの深さ・角度の3つを意識するだけで、ほとんどの“なめ事故”を防げます。
ネジ頭が完全に潰れた・もげた場合
ここまで来ると、もう“なめた”というより“壊れた”レベル。
ネジの頭が完全にツルツルになっていたり、ポキっともげてしまったりした場合、通常の方法ではまず外せません。
🔸 よくある状態
- ネジ頭の十字や六角が完全に消えてしまった
- 工具を当ててもツルツル空回りする
- ネジの頭だけ折れて、胴体が中に残っている
こうなると、いよいよ**「物理的にネジを破壊して取り除く」**という作業に入ります。
🔸 対処法のコツ
- ネジ頭が少しでも出ていれば、ネジザウルスで横からがっちり掴む
- 頭が完全に潰れていれば、リューター(小型グラインダー)で切り込みを入れてマイナスドライバーで回す
- それでも無理なら、電動ドリルでネジ頭に穴を開けて破壊し、残った軸をペンチで抜く
👉 最後の手段になると「材料を傷つけるリスク」もあるので、作業は慎重に!
🔸 補足アイデア
ドリルを使う場合、下穴をまっすぐ垂直に開けるジグを使うと失敗しにくいよ感があれば無理せず工具を見直しましょう!
切り込みを入れるときは「まっすぐ・中心に」入れないと、マイナスドライバーが食いつかない
リューターの刃は細かくて切れ味の良いもの(ダイヤモンドディスクなど)を使用
ゲーム機や眼鏡、時計等本当に小さいねじがなめた時はアネックス!
ねじが小さくて普通のドライバーでは太刀打ちできない!
そんな時はアネックスのこれ!
アネックス(ANEX) なめたネジはずし
ミニ四駆やSwitch、メガネなんかでも行けちゃう!
これは使い方の動画もあるから是非参考に!
小さいネジをなめた時の注意点と対処
精密ドライバーを使う場面や、家電などに使われている小さいネジは特に注意が必要です。
小ネジ対処法
- ピンセットで挟んで回す
- 瞬間接着剤を使ってドライバーとネジを一体化させて回す
- 専用の極小ネジ外しビットを使う
※接着剤を使う方法は周囲を汚すリスクがあるので慎重に。
ネジをなめないための予防策
なめたネジは外すのが大変です。そもそもなめないための工夫も覚えておきましょう。
予防策
- ドライバーのサイズをネジに合わせる
- 無理な力を入れすぎない
- しっかりとネジに押し付けながら回す
- ネジ穴が汚れていたら掃除する
- 潤滑剤(ラスペネ・KURE5-56など)を使う
これだけでもネジなめ防止効果は抜群です。
まとめ|ネジがなめても落ち着いて対処しよう
ネジがなめた瞬間、誰でも焦ります。でも、今回紹介した方法を知っていれば、落ち着いて適切な対処ができます。
特に初心者の方は、「どうしよう…」と手が止まりがちですが、まずは輪ゴム→貫通ドライバー→専用工具→最終手段と、段階を踏んで試してみましょう。
最終的にネジが外れた時の達成感は格別!
次からは「なめないようにするコツ」も意識しながら、安心してDIYを楽しんでくださいね。