DIY初心者がやりがちなケガ・事故の例
DIYの魅力は、なんといっても「自分の手で何かを作り上げる楽しさ」にあります。お気に入りの棚を作ったり、壊れた家具を直したり、部屋の雰囲気を自分の力で変えられる達成感は格別です。
しかしその一方で、正しい知識や準備がないまま作業を始めてしまうと、思いがけないケガや事故につながるリスクもあるのが現実です。
たとえば、カッターで木を切っていて手を滑らせて指を切ったり、電動工具の取り扱いを誤って指を挟んだり、作業中に道具や木材を落として足を打ったり…。
こうしたトラブルは、特別なミスをしたわけではなく、「ちょっとした油断」や「慣れていない作業」が原因で起こるケースがほとんどです。
この記事では、DIY初心者が特にやりがちなケガや事故の具体例を紹介しながら、それを未然に防ぐための対策や心がまえを、やさしく・わかりやすく解説していきます。
初めてのDIYでも安心して楽しめるように、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. カッター・ノコギリで手を切ってしまう
DIYで非常によくあるケガのひとつが「切り傷」です。特にカッターやノコギリなど、刃物を使う作業では要注意。
「ほんの少しだけ木を切るだけだから」と油断していると、手元が滑って刃が指や手に当たり、深く切ってしまうことがあります。
新品の刃やよく研がれたノコギリは特に切れ味が鋭いため、軽く触れただけでもスパッと切れてしまうことも。
また、力の入れ方が偏ったり、材料をしっかり固定せずに無理な姿勢で作業していると、刃が思わぬ方向に進んでしまい事故につながります。
特に初心者は「押す力が強すぎる」「片手で材料を抑えたまま切る」といったミスをしやすいため、刃物を使うときは両手で安定させ、安全な姿勢を心がけることが大切です。
2.電動工具で指を挟んだり、打ったりしてしまう
DIYで「作業がラクになる!」と人気のインパクトドライバーや丸ノコなどの電動工具。確かに便利ですが、その強力なパワーを甘く見てはいけません。
扱い方をひとつ間違えると、一瞬で重大なケガにつながることがあります。
たとえば、インパクトドライバーでネジを締めているときにビットがズレて指を打ってしまったり、丸ノコで木材をカット中に材料が動いて刃が暴走しそうになったり…。
特に初心者は、道具の反動や回転の勢いに慣れていないため、握りが不安定だったり、材料をしっかり固定しないまま作業を始めてしまうケースが多いです。
さらに注意したいのが、「手袋をしたまま丸ノコを使う」こと。
一見、安全のために手袋をしていたほうがよさそうに思えますが、実はこれ、非常に危険です。
なぜなら、丸ノコの刃が回転中に手袋の布地を巻き込んでしまうと、手ごと引き込まれてしまう恐れがあるから。素手なら接触前に“熱さ”や“振動”を感じて反射的に手を引っ込めることもできますが、手袋をしているとその感覚が鈍くなります。
しかも布地は簡単に裂けず、逆に巻き込みを助長する危険性があるのです。
電動工具の中でも特に丸ノコは事故が多く、「使い方を間違えると取り返しがつかない」という意識を常に持っておく必要があります。
丸ノコを使うときは手袋を外す。安全メガネや防塵マスクなど、適切な保護具だけを正しく使いましょう。
3.落下物による打撲・ケガ
DIYでは、棚を取り付けたり、照明を交換したりと、脚立や踏み台に乗って作業するシーンも少なくありません。そんなときにありがちなのが、工具や材料の落下によるケガです。
たとえば、手に持っていたドライバーや、棚板として使う木材が手をすり抜けて、**足の甲に直撃!**なんてことも。
特に重たい工具(ハンマー、電動工具など)や長い木材は、落下の衝撃も大きく、骨折や打撲の原因になります。
さらに怖いのは、自分だけでなく、そばにいる家族や友人を巻き込んでしまうリスクがあること。作業に夢中で周囲への注意が散漫になっていると、後ろを通った子どもやペットに工具が当たってしまう、という事故も起こり得ます。
【落下事故が起こる主な原因】
- 工具や材料を不安定な場所に置いている
- 脚立の上に物を置いたまま移動してしまう
- 両手がふさがっている状態で無理に作業しようとする
- 作業に集中しすぎて周囲を見ていない
【防ぐためには?】
- 工具は腰袋や工具ホルダーに収納し、片手を空けておく
- 木材や部品は落ちにくい位置に一時置きする(たとえば床面の安全な場所)
- 脚立作業は必ず誰かに見守ってもらう or 人のいない場所で行う
- 作業開始前に「足元・頭上に落下リスクがないか」を確認する
特に高所作業では「落とすかもしれない」という前提で準備することが、安全対策の第一歩です。
4.作業環境の不備による転倒・踏み外し
DIY中のケガで見落とされがちなのが、「転倒や踏み外しによる事故」です。
派手な道具のトラブルではなく、足元のちょっとした油断が原因で起こるこの事故、実はかなり多いんです。
たとえばこんな経験、ありませんか?
- 床に置いてあった端材につまずいて転びそうになった
- 延長コードや工具のコードに足を引っかけた
- 脚立の位置をちゃんと確認せず、踏み外してぐらついた
こうした転倒は、骨折や打撲などの大きなケガにつながるだけでなく、持っていた工具や材料が自分に落ちてくる二次被害も起こしやすいので注意が必要です。
特に初心者は「作業に集中しすぎて、足元が散らかっていることに気づかない」「急いで移動して工具を踏む」といったミスをしがち。
また、ホームセンターで買ってきた簡易脚立なども、設置が甘いとグラついたり、斜めになっていて転倒の原因になることがあります。
【防止のためにできること】
- 作業前に、床・足元にあるものをすべて片付ける
- 脚立や踏み台は必ず平坦で滑りにくい場所に置く
- コード類はまとめる or 養生テープで床に固定する
- 「この位置で作業しても安全か?」を一度立ち止まって確認する
小さなスペースでも、「動線を確保する」「一時的な工具置き場を作る」といった工夫をするだけで、転倒リスクはぐっと減らせます。
DIYでは、“作業する場所づくり”も立派な工程のひとつ。
ケガを防ぐ第一歩として、作業環境の安全確保はしっかり意識しておきましょう。
5.目や手に飛び込む粉塵・破片でケガをする
木材を切る、ヤスリで削る、金属をカットする——こうした作業をしているときに飛び散る「粉塵(ほこり)」や「細かい破片」。これが目や手に刺さってしまう事故も、DIYではとても多く見られます。
たとえば、ノコギリで木材をギコギコ切っていたら、細かい木くずがふわっと舞い上がって目に入り、ゴロゴロとした痛みが止まらなくなる。
あるいは、金属パイプをカットしていたら、小さな破片が飛んできて手の甲にチクッと刺さった、なんてことも。
特に電動サンダーやディスクグラインダーなど回転系の工具を使うと、目に見えないほど細かい粒子や、鋭く尖った破片が一気に飛散するため、作業者の顔まわりや手元をしっかり守る対策が不可欠です。
また、作業時に顔を近づけすぎる、防護メガネを「邪魔だから」と外してしまうといった“ちょっとした気の緩み”が、大きなケガにつながってしまうこともあります。
【防止のためにできること】
- 必ず「ゴーグル」や「防塵メガネ」を着用する
→ 普通のメガネでは隙間から破片が入ってくる可能性があります。顔全体を覆うタイプのゴーグルがおすすめ。 - 粉塵が出る作業では「マスク」もセットで使う
→ 木くずや金属粉を吸い込むと、目だけでなく気道や肺への負担も。 - 作業時は顔を材料に近づけすぎない
→ 切削時に何が飛んでくるかわかりません。少し距離を保ちましょう。 - 破片が飛びやすい作業では「手袋」も着用
→ 指先まで保護できる、滑り止め付きの作業用手袋を。
粉塵や破片によるケガは「たった一瞬」の油断で起きます。でも逆に言えば、ほんの少しの準備と注意で、ほとんどが防げる事故でもあるのです。

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DIY中に事故が起こる“本当の原因”とは?
DIYのケガや事故は、「不運だった」「たまたまミスした」と思われがちですが、実は**いくつかの“共通する原因”**があります。
それらを知っておくだけでも、事故の予防につながります。
■ 準備不足・整っていない作業スペース
「ちょっとだけやるつもりだったから」「片付けるのが面倒で…」と、準備を適当に済ませてしまうのは、初心者あるある。
でもそのまま作業を始めると、足元に木材が転がってつまずいたり、必要な道具を探して手元が狂ったりと、トラブルが起きやすくなります。
DIYを安全に進めるには、まず**「作業スペースの整理」と「道具の事前チェック」**が基本中の基本です。
■ 道具の使い方をちゃんと知らない
「説明書を読むのが面倒だから、なんとなくで使ってみた」
「YouTubeで見たけど細かい操作までは見てない」
こうした“自己流”は、一歩間違えば大ケガにつながるリスクがあります。
特に電動工具は、構造を理解していないと、逆回転・空回り・反動など予想外の動きに対応できません。
まずは取扱説明書にしっかり目を通し、使い方の動画なども活用して、正しい操作方法を事前に頭に入れておくことが大切です。
■ 「このくらい大丈夫」という油断
DIYで多いのが、「ちょっとだけだし…」と保護具を省略したり、作業の確認を飛ばしてしまうパターン。
たとえば…
- ゴーグルが邪魔だから外して作業
- 軍手をせずにノコギリを使用
- 木材をしっかり固定せずにカット
こうした「油断の積み重ね」が、取り返しのつかない事故につながってしまうのです。
■ 完成を急ぐあまり、焦って作業する
「早く仕上げたい!」「休みのうちに全部やりたい!」
そんな気持ちが先行してしまうと、確認作業を飛ばしたり、強引なやり方で進めてしまいがちです。
特に疲れが溜まっている状態では、集中力が切れやすく、手元が狂いやすくなります。
焦らず、ゆっくり丁寧に作業を進めることが、結果的には一番安全で効率的な方法です。
今日からできる!DIY事故を防ぐための具体的な対策
事故やケガを防ぐためには、「特別なスキル」よりも、正しい準備と基本を守る意識が大切です。
ここでは、DIY初心者でも今日からすぐ実践できる、安全対策のポイントを紹介します。
✅ まずは「作業前チェックリスト」を習慣に!
いきなり作業に入らず、まずは準備が整っているかを目で見て確認することが大切です。以下のようなチェックリストを、毎回作業前に確認してみましょう。
チェック項目 | 確認 ✔ |
---|---|
作業スペースは片付いていて、足元に障害物はないか? | ✅ |
使う工具や材料はすべてそろっているか? | ✅ |
必要な保護具(ゴーグル・手袋・マスクなど)は身につけたか? | ✅ |
作業手順や使い方に不明点はないか? | ✅ |
このようにチェックする“クセ”をつけることが、事故予防の第一歩です。
✅ 保護具は「つけるかどうか」ではなく「つけて当たり前」
- ゴーグル:目への粉塵や破片の飛散を防ぐ。メガネタイプよりも顔を覆うタイプがおすすめ。
- 手袋:すべり止め付きの作業用グローブ。※丸ノコを使う場合は“外す”こと!
- マスク:木くずや塗料のニオイ対策に。とくに切削作業では必須。
- 耳栓:電動工具の騒音対策。長時間作業や集合住宅では役立ちます。
保護具は**“万が一”を防ぐ最後の砦**。少し面倒でも、安全のためには必ず着用しましょう。
✅ 道具の正しい使い方を必ず確認する
- 説明書は“読まなくてもなんとかなる”ものではありません。
- 動画(YouTubeなど)で視覚的に確認すると理解しやすいです。
- わからない機能や構造は、無理に試さず調べてから使う。
特に電動工具は「間違った使い方が即トラブル」につながります。正しい知識で“怖くない使い方”を身につけましょう。
✅ 無理は禁物。疲れたら、必ず休憩!
集中力が切れたときほど、ケガは起こりやすいもの。
作業がノッてきたときでも、30分〜1時間に一度は小休憩を入れるのがおすすめです。
また、水分補給やストレッチも忘れずに。体調管理も“安全作業”の一部です。
✅ 作業スペースの安全を常に意識しよう
- 工具や木片は床に置きっぱなしにしない
- コード類はまとめて足元に絡まないようにする
- 脚立や踏み台の安定を毎回確認する
- 周囲に人がいないか、作業の前に声をかける
DIYは「自分の作業範囲」をしっかり管理することが、周囲を守ることにもつながります。
初心者でも安心!安全にDIYを楽しむための心構え
DIYを楽しむうえで、テクニックや道具ももちろん大切ですが、**いちばん大切なのは“安全への意識”**です。
この意識さえ持っていれば、多少不器用でも、時間がかかっても、ケガなく最後までやり遂げることができます。
🔸「安全第一」を最優先にしよう
DIYはあくまで“趣味”や“生活の楽しみ”の一部。
仕上がりの美しさや作業スピードよりも、自分の体と命を守ることが最優先です。
「このくらいなら平気」ではなく、**「念のため、やっておこう」**という気持ちを常に持っておきましょう。
🔸 わからないことは、必ず調べる
道具の使い方が曖昧なまま進めるのは危険です。
「たぶんこうだろう」は、DIYでは通用しません。
説明書・メーカーサイト・YouTubeなど、調べればすぐに答えが見つかる時代です。
不安があるときほど、ひと手間かけることが“安全”につながります。
🔸 作業前に「どこが危険か?」を想像してみよう
作業を始める前に、頭の中で**「もしこうなったら…?」とシミュレーションしてみるクセ**をつけましょう。
- 指を挟みそうなポイントはどこか?
- 木材が落ちたとき、誰かに当たらないか?
- 体の動線に道具が散らかっていないか?
たった30秒のイメージトレーニングが、ケガを防ぐ大きな助けになります。
🔸 うまくいかなくても“安全”が守れたら成功
ネジが斜めに入った。思ったより曲がってしまった。
――それでも、ケガをせずに作業を終えられたなら、それは立派な成功です。
最初から完璧にできる人はいません。
大切なのは、「楽しかった!またやりたい!」と思える体験を積み重ねること。
そのためにも、まずは**“ケガをしないこと”が一番のゴール**です。
まとめ|正しい知識とちょっとの準備で、DIYはもっと安全に楽しめる!
DIYは、自分の手でモノを作り上げる“ワクワク”と“達成感”にあふれた楽しい世界。
でもその一方で、工具を使う以上、常に「危険」と隣り合わせであることを忘れてはいけません。
実際に多いのは、
「少しだけだから大丈夫だろう」
「慣れてきたから、手順を省いても平気」
という油断から起こる事故です。
だからこそ大切なのは、正しい知識・しっかりした準備・安全への意識。
この3つさえ揃っていれば、DIYはもっと安心して、もっと楽しく続けていくことができます。
「失敗してもいい、でもケガだけはしないように」
この気持ちを忘れずに、あなたらしいDIYライフをのびのびと楽しんでください!