削るって、そんなに難しい?
DIYをやっていると、いずれ必ずぶち当たる壁があります。それが「削る作業」。
特に、「平らにしたい」「トゲを取りたい」「塗装前にパテを整えたい」――そんなとき、ヤスリの使い方がものを言います。
私も最初は「なんとなく紙やすりで擦っとけば大丈夫だろう」と思っていました。
でも実際には、表面はガタガタ、角は取れすぎて丸くなり、仕上がりはお世辞にもキレイとは言えない状態…。
「なんでこんなに下手なんだろう?」と悩んでいました。
ところが、ヤスリの種類と使い方を正しく理解しただけで、劇的に変わったんです。
木材の角はピシッと立ち、金属のトゲは安全に消え、パテの仕上げもツルッと真っ平らに。
この記事では、そんな私の体験も交えながら、
- ヤスリの種類と使い分け
- 平らに削るための正しい使い方
- 紙やすりの番手の選び方
- 「なぜ水をかけるのか?」の理由
などなど、削る作業が気持ちよくなるテクニックをやさしく解説していきます。
ヤスリに自信がない方も、この記事を読み終えるころには「削るのって楽しいかも」と感じられるようになるはずです。

(#80/#150/#240/#400/各3枚) 93x230mm
木材 金属 ペンキ サビ バリ取り 汚れ落とし
荒磨き 下地磨き 仕上げ磨き
やすり ペーパー サンダー 削る 18170007
ヤスリってそもそも何?種類と違いをざっくり解説
「ヤスリ」と聞いて思い浮かぶのは、細かいギザギザのついた金属の棒状の工具だったり、DIYコーナーで見かける紙やすり(サンドペーパー)だったり。実はこれ、どちらもヤスリの仲間なんです。
ヤスリには大きく分けて2つのタイプがあります:
金属ヤスリと紙やすり(サンドペーパー)の違い
種類 | 特徴 | 向いている作業 | 注意点 |
---|---|---|---|
金属ヤスリ | 金属製の板に“目”と呼ばれる刃が刻まれている | 木材・金属・プラスチックなど、形を削る・成形する | 強く押しすぎると削りすぎることも |
紙やすり(サンドペーパー) | 研磨剤を紙や布に貼り付けたもの | 表面をなめらかに整える/塗装前の下地処理 | 番手選びや力加減が仕上がりを左右 |
この2つは**「削る目的」が違う**と覚えるとわかりやすいです。
・金属ヤスリは形を整える“造形”用
・紙やすりは表面を整える“仕上げ”用
つまり、「最初に金属ヤスリで形を整え、最後に紙やすりで仕上げる」という流れが基本。
鉄工ヤスリ・木工ヤスリ・精密ヤスリの特徴
金属ヤスリの中でも用途別にさらに細かく分かれています。
- 鉄工ヤスリ:鉄やアルミなどの金属を削るためのもの。目が鋭くて硬く、力強い削りが得意です。
- 木工ヤスリ:木材用に作られており、目詰まりしにくいよう工夫されたタイプも多い。形を整えやすい反面、柔らかい木を削りすぎないように注意。
- 精密ヤスリ/ダイヤモンドヤスリ:模型や細かい部品、樹脂素材などに向いた細かい作業用。力ではなく“繊細さ”が命。
私が初めて「精密ヤスリ」を使ったときは、まるで筆で削っているような感覚で驚きました。
「ヤスリってこんなにコントロールできるのか!」と感動した瞬間です。

大型スチールヤスリ、
鉄工・金属加工・木工用
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目の粗さ(目の種類)で仕上がりが変わる
ヤスリには「単目」「複目」「鬼目」などの目の形もあります。
- 単目:直線的な目。目詰まりしにくく、鉄や硬い素材に向く。
- 複目:クロスした目。削れやすく万能型。
- 鬼目/粗目:かなり荒い目で、ゴリゴリと削るとき用。
使う素材や目的に応じて、「削るスピード」か「仕上がりのきれいさ」どちらを優先するかで選ぶといいでしょう。
紙やすり(サンドペーパー)の番手とは?用途別の選び方
紙やすり――あるいはサンドペーパーとも呼ばれるこの存在、DIYでは超定番なのに「番手って何?」「なんとなく買って使ってるだけ」という人も多いはず。かく言う私もその一人でした。#80とか#240とか書いてあるけど、最初はさっぱり意味がわからなかったんですよね。
番手とは「目の細かさ」そのもの
紙やすりに書かれている「#○○」という数字、これが「番手(ばんて)」です。
これは1インチ四方(約2.54cm四方)に何粒の研磨粒子があるか、という基準。つまり、
- 番手が小さい(#60など)=粒が粗く、削る力が強い
- 番手が大きい(#600など)=粒が細かく、仕上げに向く
ということになります。
用途別・番手の目安表
番手 | 粗さ | 主な用途 |
---|---|---|
#40〜#80 | とても粗い | ペンキ剥がし、荒い整形、さび落としなど |
#100〜#150 | 粗い | 木材の成形、パテを削る前段階 |
#180〜#240 | 中くらい | 下地処理、パテ仕上げ、木材のなめらか仕上げ |
#320〜#400 | 細かい | 塗装前の最終仕上げ、金属磨き |
#600以上 | 超細かい | 仕上げ研磨、鏡面仕上げ、水研ぎ用など |
私はよく**#180 → #240 → #400**という流れで木材を仕上げます。#180で形を整えて、#240でなめらかに、最後に#400でスッと手触りをよくする。すると、塗装のノリも全然違うんです。
「粗削り・中仕上げ・最終仕上げ」番手の使い分け
番手の選び方は一気に仕上げようとしないのがコツ。
たとえばパテを整えるときに、いきなり#400を使っても時間ばかりかかってうまくいきません。
最初は#100〜150で「ゴリゴリ」削って形を出し、#240〜320で整え、最後に#400でツルツルにする。この**“番手を段階的に上げる”**のがプロのやり方です。
「#80」から「#1000」までどう使い分ける?
DIYにおいてよく使うのは#80〜#400あたりですが、場合によっては#1000以上の極細目も使います。
- 金属パーツのツヤ出しや光沢仕上げ → #600〜#1000以上
- アクリル板などの透明仕上げ → 最後は#2000以上+研磨剤もあり
ちなみに、昔バイクのタンクを塗り直そうとして、#1000でひたすら磨いたことがあります。途中で指の感覚がなくなりそうになり「電動サンダー買えばよかった…」と後悔しました(笑)
ヤスリの正しい使い方と力の入れ方
「削れてるはずなのに、なぜか平らにならない」
そんな経験、ありませんか? 私は何度もあります。
実はヤスリって、“力の入れ方”と“方向”だけで結果が大きく変わるんです。
「ゴシゴシ」ではなく「スーッと一定に」が基本
初心者がよくやってしまうのが「力まかせのゴシゴシ削り」。
これ、削れてるようで実はムラが出やすく、しかも仕上がりが荒れる原因になります。
ヤスリがけは、力を抜いて、一定方向に、一定のリズムで動かすのが基本。
とくに紙やすりの場合は「押すときに力を入れ、戻すときは浮かせる」くらいの意識がちょうどいい。
私も過去に木材の角を削るときに、左右にガシガシやって角が丸くなりすぎてしまったことがありますwww
今思えば、あれはヤスリというより「削り棒でこすってただけ」だったなと反省…。
ヤスリの目に沿って削る理由
金属ヤスリにも紙やすりにも「目」があります。
この目の流れに逆らうと、削れにくくなり、表面がザラついたり傷がついたりしがちです。
特に金属ヤスリは「目に沿う=削り効率が上がる」だけでなく、「ヤスリ自体の寿命が伸びる」ことにもつながります。
削り過ぎを防ぐためのコツ
ヤスリがけで一番怖いのが「削りすぎ」。
一度削った面は戻せないので、やりすぎると取り返しがつかなくなることも。
以下は、削りすぎを防ぐ3つの工夫です:
- 当て木(当て板)を使う
紙やすりを手でそのまま使うと、力が均一にかかりません。木片やゴム板に巻いて使うと、面全体が均一に削れます。 - マークを入れておく
削る前に鉛筆などで軽く線を引いておくと、「ここまで削ればいい」という目安になります。 - 段階的に番手を変える
粗い番手から始めて、仕上げに細かい番手で整える。いきなり細かい番手で全部やろうとすると時間もかかり、力任せになりがちです。
バイクのフェンダーをパテで整形したことがあったんですが、、最初に#150でガッと削りすぎて穴が開いてしまいました…。アホでしたねwww
あの時は「やりすぎたら、また盛って、やり直す」しかないと悟りました(苦笑)
なぜヤスリに水をかけるのか?ウェット研磨の話
「紙やすりに水をつけて削る」――DIY初心者にはちょっと不思議に感じるこの作業。実はこれ、“ウェット研磨”と呼ばれる立派なテクニックで、知ってるかどうかで仕上がりに大きな差が出ます。
私も最初は「え、水? 紙ふやけない?」と思っていましたが、やってみると粉が舞わない、目詰まりしない、ツヤも出ると良いことづくめでした。
摩擦熱を抑える/粉じんを抑える/仕上がりがきれいになる
ウェット研磨には、以下のようなメリットがあります:
- 摩擦熱を抑える:特に金属を磨くとき、ドライでやるとヤケドしそうなほど熱を持ちます。水が冷却材になってくれます。
- 粉じんを抑える:乾いた状態だと細かい粉が舞い、吸い込むと健康にも悪影響。水を使えばそれが大幅に減ります。
- 目詰まりを防ぐ:細かい削りカスが目に詰まって研磨力が落ちるのを、水が洗い流してくれるので長く使える。
- 表面の仕上がりがなめらかになる:ツルッとした質感が出やすく、塗装前の下地仕上げにも効果的。
特に**#600以上の番手**を使うときには、ウェット研磨の恩恵が大きく感じられます。
木材 vs 金属 vs プラ素材、それぞれの注意点
- 木材の場合:基本的にはドライで使うのが基本。水を使うと木がふやけて繊維が起き上がり、逆効果になることも。
- 金属やプラスチック:ウェット研磨が効果的。特に塗装面の下地処理や、光沢仕上げに有効。
- 塗装剥がし/パテ研ぎ:ウェットでやると粉が舞わず、作業がラク。仕上がりもきれい。
ちなみに「水研ぎ用」の表記がある紙やすり(耐水ペーパー)を使うのが前提です。
普通の紙やすりだと水でふやけて使い物にならなくなりますのでご注意を。
なぜヤスリに水をかけるのか?ウェット研磨の話
「紙やすりに水をつけて削る」――DIY初心者にはちょっと不思議に感じるこの作業。実はこれ、“ウェット研磨”と呼ばれる立派なテクニックで、知ってるかどうかで仕上がりに大きな差が出ます。
私も最初は「え、水? 紙ふやけない?」と思っていましたが、やってみると粉が舞わない、目詰まりしない、ツヤも出ると良いことづくめでした。
摩擦熱を抑える/粉じんを抑える/仕上がりがきれいになる
ウェット研磨には、以下のようなメリットがあります:
- 摩擦熱を抑える:特に金属を磨くとき、ドライでやるとヤケドしそうなほど熱を持ちます。水が冷却材になってくれます。
- 粉じんを抑える:乾いた状態だと細かい粉が舞い、吸い込むと健康にも悪影響。水を使えばそれが大幅に減ります。
- 目詰まりを防ぐ:細かい削りカスが目に詰まって研磨力が落ちるのを、水が洗い流してくれるので長く使える。
- 表面の仕上がりがなめらかになる:ツルッとした質感が出やすく、塗装前の下地仕上げにも効果的。
特に**#600以上の番手**を使うときには、ウェット研磨の恩恵が大きく感じられます。
ウェット研磨とドライ研磨の違い
比較項目 | ドライ研磨 | ウェット研磨 |
---|---|---|
粉じん | 舞いやすい | 抑えられる |
ヤスリの寿命 | 短め(目詰まりしやすい) | 長持ち |
熱の発生 | 多い | 少ない |
作業感 | サクサク削れるが、荒れやすい | 滑らかだが、削るスピードはやや遅い |
適する用途 | 粗削り、スピード重視 | 仕上げ重視、細かい仕上げ |
私が初めてウェット研磨を試したのは、バイクのアルミパーツの磨き作業でした。ドライでやってたときはすぐに熱くなって握れないほどだったのに、水をつけて磨いたらまるで別世界。手触りまでしっとりするんです。
木材 vs 金属 vs プラ素材、それぞれの注意点
- 木材の場合:基本的にはドライで使うのが基本。水を使うと木がふやけて繊維が起き上がり、逆効果になることも。
- 金属やプラスチック:ウェット研磨が効果的。特に塗装面の下地処理や、光沢仕上げに有効。
- 塗装剥がし/パテ研ぎ:ウェットでやると粉が舞わず、作業がラク。仕上がりもきれい。
ちなみに「水研ぎ用」の表記がある紙やすり(耐水ペーパー)を使うのが前提です。
普通の紙やすりだと水でふやけて使い物にならなくなりますのでご注意を。
ヤスリ作業の“あるある失敗談”と対処法
ヤスリがけって、一見地味な作業だけど、やればやるほど「奥深い…」と感じる瞬間があるんです。
でも、うまくいくばかりではなくて、私も何度も失敗しました。
ここではよくある失敗パターンと、その**「なんとかなる対処法」**を紹介します。
削りすぎて角がなくなった
あるあるです。木の箱を作ったとき、「角だけサッと削るつもりが…気づけば丸っこい箱に」。
原因は、角だけにヤスリを当て続けたことと、当て板を使わなかったこと。
対処法:
- 面で削る意識を持つ(角ではなく“面から角へ”)
- 必ず当て木を使う
- 最初に「どこまで削るか」鉛筆などでガイドを描いておくと◎
目詰まりして余計にキズがついた
木くずや金属粉が目に詰まると、紙やすりが**“砥石”じゃなく“ゴリゴリの砂団子”**状態に。
そのまま使うと、削るどころか削りカスで表面にキズが入ります。
対処法:
- ときどきエアダスターやブラシで掃除する
- 紙やすりの面を「揉みほぐす」と意外と復活する
- 番手が細かい場合や金属なら、水をかけてウェット研磨が有効!
紙やすりがすぐ破れる!→使い方にコツあり
「3分もたたずにボロボロ…」「手に巻いてたらビリッ!」という紙やすりの悲劇。
原因は手に直接巻いて使うことと、一箇所だけでこすりすぎたこと。
対処法:
- 木材やゴム板に巻いて使う(力が均一に伝わり、紙の寿命もUP)
- 紙やすりは折って“折り目”をずらしながら使うと長持ち
- 1枚をケチらず、こまめに交換するのも上達の近道
ちなみに私は、「#240番1枚を大事に使いすぎて、最後には爪しか削れなくなってた」なんてこともあります(笑)
ヤスリ選びと使い方のまとめ|これだけ押さえればOK!
ヤスリがけ――それは地味だけど、作品の**仕上がりを左右する“最重要工程”**です。
正しい道具選びと使い方を覚えれば、「削るのが楽しい」と思える瞬間がきっと増えます。
ここまでのポイントを、最後にぎゅっと整理しておきましょう。
✅ ヤスリの種類と役割を使い分けよう
- 金属ヤスリ:形を削る“成形”用(鉄工用・木工用・精密用など)
- 紙やすり(サンドペーパー):表面を整える“仕上げ”用
✅ 番手(#)は段階的に上げていくのが鉄則
用途 | 推奨番手の流れ |
---|---|
荒削り | #80〜#120 |
成形・下地調整 | #180〜#240 |
仕上げ・塗装前 | #320〜#400 |
鏡面・ツヤ出し | #600〜#1000以上(水研ぎ推奨) |
✅ 削るときの“力の入れ方”が仕上がりを決める
- ゴシゴシではなく、「スーッ」と一定のリズムで
- 当て木やゴム板を活用して、力を均等に
- “削りすぎ”を防ぐために目印をつけるのも有効
✅ 水を使う“ウェット研磨”も覚えておくと便利
- 耐水ペーパーを使って、粉じん・熱・目詰まりを抑える
- 特に#600以上の細かい仕上げや金属加工におすすめ
- 木材には基本的にNG(水でふやけるため)
✅ 失敗しても大丈夫。削り直せばいい。
「削りすぎた」「角が丸くなった」「キズが入った」――どれも誰もが通る道です。
何度も失敗して、削り直して、仕上げ直して。それもまたDIYの楽しさです。
私もまだまだ“ヤスリ道”の途中ですが、この記事が少しでも、あなたの「削る」作業の助けになればうれしいです。
ヤスリを手に、ぜひ気持ちのいい“仕上がりの瞬間”を味わってください!