DIYで塩ビパイプや金属パイプを切ろうとしたとき、
「思ったより固い…」「まっすぐ切れない!」「切り口がガタガタ…」
こんな経験、ありませんか?
実はそれ、道具選びとちょっとしたコツでほとんど防げるんです。
この記事では、DIY初心者の方でも“スパッと・まっすぐ・安全に”パイプを切れるようになるための知識をやさしく解説します。
手動パイプカッターの種類と使い方、塩ビ管・鋼管それぞれの切断ポイント、失敗しないための注意点まで、実体験を交えながら丁寧にご紹介!
これからパイプカッターを買おうか悩んでいる方にも、「あ、これなら自分にもできそう」と思えるヒントが満載です。
そもそもパイプカッターってどんな道具?
ノコギリとはどう違う?
パイプカッターは、円筒状のパイプを「まっすぐ・きれい・力をかけすぎず」に切るための専用工具です。
ノコギリと違って“刃を引かずに回す”ことで切断するため、切り口がバリバリになりにくく、作業時間も短縮できます。
たとえば塩ビパイプをノコギリで切ったことがある方なら、切った後の断面に「バリ(トゲトゲ)」が残って、サンドペーパーで削ったり、ヤスリで整えたりと、手間がかかる経験をされたかもしれません。
でもパイプカッターなら、その手間をグッと減らせます。
どんなパイプに使えるの?
パイプカッターは、主に以下のような素材に対応しています:
パイプの種類 | 使用例 | 対応パイプカッター |
---|---|---|
塩ビ(VP・VU) | 水道配管・排水管 | 手動式・ラチェット式 |
銅管 | エアコンや給湯器配管 | ローラー式金属用 |
鋼管(ガス管など) | ガス配管・家具骨組み | 大型金属用/電動式 |
アルミ・真鍮パイプ | インテリア・装飾部材 | 汎用金属用 |
素材やパイプ径に合ったタイプを選ばないと、「パイプに入らない」「刃が届かない」「うまく回らない」などのトラブルに…。
パイプカッターの種類と特徴
🔧 塩ビ管用パイプカッター(手動式)
DIYで水道配管や排水工事をする際によく使うのが、「VP管」や「VU管」といった塩ビパイプです。
これらをまっすぐ・ラクに切るのに最適なのが、塩ビ管専用のパイプカッターです。
このタイプは、一般的に「ハサミ型」や「ラチェット式」と呼ばれる構造で、レバーを握って少しずつ刃を押し込んでいく仕組みになっています。
特にラチェット式は、ギアのように**「ギュッ、ギュッ」と段階的に力をかけていける**ので、握力に自信がない人や女性でも扱いやすく、DIY初心者にはぴったり。
▶ どんなサイズに対応できる?
よく使われるVP・VUパイプのサイズに対応した製品が多く、
直径25mm、30mm、40mm程度までなら問題なく切断できます。
(※それ以上の大口径は、別売の大型パイプカッターやノコギリを使う場合も)
▶ 切り方のイメージは?
- パイプにカッターの刃をセット(切りたい位置に合わせて)
- グリップを握り込むと刃がじわじわ押し込まれる
- カチッカチッと何度か握ると“スパッ”と切断完了
切り口はノコギリと違ってバリが少なく、加工がしやすい・接着もしやすいのがメリットです。
▶ 価格の目安と購入先
- 安価モデル(DIY用): 約1,000〜2,000円程度
- 中級モデル(ラチェット式): 2,000〜3,000円程度
- 高耐久モデル(業務向け): 4,000円以上
購入場所としては、以下のようなところで手に入ります:
購入場所 | 特徴 |
---|---|
ダイソーやセリアなど100円ショップ | 一部店舗で小型モデルを販売(110円 or 330円) |
ホームセンター(コーナン、カインズなど) | 種類が豊富で、サイズ確認もしやすい |
Amazon・楽天など通販 | 比較検討しやすく、レビューも参考にできる |
このように、塩ビ管用のパイプカッターは安価で手に入り、DIY配管の作業効率を大幅にアップしてくれる便利アイテムです。
「まっすぐ・安全・ラクに切る」ことを目指すなら、1本持っておくと重宝しますよ。
ダイソーにはパイプカッターがあります。
パイプの切断に使用、切断可能パイプ:軟鉄、銅、アルミ、塩化ビ二ール管(ステンレスには使用できません。)
🔩 金属管用ローラー式パイプカッター
金属製のパイプをまっすぐ・きれいに切りたいときに活躍するのが、ローラー式のパイプカッターです。
見た目は“Cの字型”をしていて、刃とローラーでパイプを挟み込む構造になっています。
このタイプの特徴は、刃を一気に押し込んで切るのではなく、「締める→回す→締める→回す…」を繰り返しながら、金属に少しずつ溝を掘っていくこと。
金属に負担をかけず、バリも少ない切断面に仕上げられるため、空調・配管系のDIYや軽作業に最適です。
▶ 対応しているパイプ素材
- 鋼管(ガス管・鉄パイプ)
- 銅管(エアコン配管など)
- アルミ管・真鍮パイプ
- ステンレス管(※対応機種に注意)
特に銅管やアルミ管のような比較的柔らかい金属であれば、DIY用途でも十分扱えます。
外径6〜28mm前後の範囲に対応しているモデルが多く、小口径配管やフレキ管のカットにも便利です。
▶ 実際の使い方(手順)
- カッターをパイプにセットし、切断したい位置に刃を当てる
- 軽く締める(いきなり強く締めるのはNG)
- カッター本体を360°回転させる
- 1周ごとに少しずつ刃を締めていく
- くり返していくうちに、スパッと分離!
回すごとに「キュッ、キュッ」と刃が深く入り込んでいく感覚が気持ちよく、クセになる作業です。
▶ 失敗談:無理に入れて詰んだ話
私も過去に、「これギリ入るんじゃない?」と太めの鋼管に手持ちのカッターを無理やり突っ込んでみたことがあります。
結果は…回らない、刃がかむ、パイプに傷だけ残って終わり。
しかも、一度締めすぎると後戻りできず、途中で外すのも苦労するというオマケ付き。
この経験から痛感したのは、
👉 「パイプ径に合ったカッターを選ぶこと」こそが一番のコツということです。
⚙ 電動タイプ・大口径対応モデル
パイプカッターといえば手動のイメージが強いかもしれませんが、最近では電動タイプのパイプカッターも登場しています。
これは、電動モーターの力で刃を自動で回転・加圧し、人の手を使わずに一定の力で素早くパイプを切断してくれるというもの。
▶ 電動式のメリットは?
- 太いパイプでもラクに切れる(50mm以上でも対応)
- 一度セットすれば、あとはスイッチONで自動回転
- 切断時間が短く、仕上がりも安定
- 力が不要なので作業負担が軽減される
とくに、鋼管・ステンレス管などの硬くて太いパイプを、何本も・短時間で・正確に切る必要がある現場では、圧倒的に効率がアップします。
▶ どんな人・作業に向いている?
- リフォーム業・配管工事などプロの現場作業者
- 工場やビルなどで定期的に鋼管を交換・加工する業務
- DIYでも金属パイプを大量に使うガレージ製作・什器制作など
逆に、家庭で年に1〜2回使うだけのDIYユーザーにとってはオーバースペック。
本体価格も2〜5万円以上と高価なため、一般的な塩ビ管・細い銅管などを切る作業なら、手動式で十分です。
▶ 電動でも「使えるサイズ」は要チェック!
なお、電動タイプといえども、対応するパイプ径には限界があります。
「これなら何でも切れるはず!」と思って買ってしまうと、サイズオーバーで無駄になる可能性も。
対応サイズ(例:15〜66mmなど)を事前に確認するのが大切です。
このように、電動パイプカッターは**「頻度・作業量・パイプ径」が大きいケースに特化した、業務寄りのツール**です。
もしあなたが、ガレージDIYやバイク・車のメンテナンスで大型パイプを何本も扱うような予定があるなら、選択肢として検討してみても良いかもしれません。
鋼管・塩ビ管の切り方を完全解説!
塩ビ管(VP管・VU管)の切り方と注意点
塩ビ管は比較的柔らかい素材ですが、ノコギリで切ると斜めにズレやすく、切り口もガタガタになりがち。
パイプカッターを使うことで、誰でもまっすぐ切れるようになります。
手順はシンプル:
- マーキングする
切りたい位置に油性ペンで線をぐるっと一周書きます。
(メジャーやスコヤを使うと正確) - パイプカッターをセット
カッターの刃をマーキング位置に合わせ、軽く締め込みます。
このとき強く締めすぎないことがポイント。 - くるっと回す
360°回して一周ごとに刃を少しずつ締めていきます。
「切れないからもっと力を!」はNG。
刃がパイプに食い込んでいくだけでOKです。 - 最後は“パキン”と分離
最後まで回すと、スパッと割れるように切れます。
切り口はバリ取り(面取り)用のカッターやヤスリで整えると完璧。
鋼管(鉄管・銅管)の切り方とコツ
鋼管は塩ビ管と違って硬いので、ローラー式のパイプカッターを使います。
特にガス管や水道用の鉄管は、手動でも時間がかかるため焦らないことが重要。
手順は以下:
- パイプをしっかり固定
万力(バイス)に挟むか、滑らないように作業台に固定します。 - カッターをセットして軽く締める
いきなり強く締めると回せなくなり、刃が欠ける原因に。 - 回しながら少しずつ締める
「回す → 1/4回転くらい締める → 回す…」を繰り返し。
焦らず均等に力をかけると、きれいに切れます。 - 切断後はバリ取り必須
鋼管の内側には鋭いバリが残るので、リーマーやヤスリで削って仕上げます。
私の失敗談:
以前、太めの鋼管を「ギリいけるか?」と手持ちのカッターにムリヤリ突っ込んだことがあります。
結果、刃が空回りするわ、パイプは傷だらけになるわで散々でした…。
**「適正サイズのカッターを選ぶこと」**が一番のコツです。
きれいに切るためのポイント5選
- パイプを動かさず、カッターを回す(逆だとブレる)
- 1周ごとに刃を少し締める(一気に締めない)
- 切り口にテープを巻いてガイドにする(まっすぐ切れる)
- 金属用は潤滑油を少し塗る(摩擦軽減)
- バリ取りは忘れずに(仕上がりがプロっぽくなる)
プロもやってる⁉ パイプカッターの“ちょい技”テクニック
キズを防ぐテープテクニック
塩ビでも金属でも、パイプをクランプで固定するときや、カッターで回転させるときに表面に傷がついてしまうことがあります。
そんなときは、切断予定位置にマスキングテープやビニールテープを巻いておくのがオススメ!
- マーキングも見えやすくなる
- 回転時の滑り止めになる
- 切断時のキズ防止になる
と、実は地味に役立つ小技です。
力をかけすぎない“締め”の感覚
「よし、刃を強く締めれば早く切れるはず!」
——とグイッと締めた結果、**パイプが潰れたり、刃が空回りしたり…**なんてことも。
パイプカッターは、“ちょっとずつ締めて、何周か回す”が基本。
🔧 目安:1回転ごとに1/4回転だけ締め増す
刃がじわじわと食い込んでいく感覚があればOK。焦りは禁物です。
回すときに滑らせないコツ
ローラー式では「くるっと1周」がうまくできずに、手が滑ってしまうこともあります。
そんなときは、軍手の上から滑り止め付きのゴム手袋を重ねて装着すると、しっかりグリップできます。
特に金属管では、油やサビで滑りやすくなるので、手の保護もかねて必須の対策です。
パイプカッターの選び方とおすすめモデル
対応サイズ・素材をチェックしよう
まず最初にチェックすべきは、「どんなパイプに使うのか?」です。
パイプ素材 | 推奨カッタータイプ | よくあるサイズ |
---|---|---|
塩ビ管(VP・VU) | ハサミ型・ラチェット式 | 13〜40mm |
銅管・真鍮管 | ローラー式(小型) | 6〜22mm |
鋼管・ステンレス管 | ローラー式(大型)or 電動 | 20〜66mm以上 |
パイプの外径がカッターの最大対応サイズを超えていると使えません。
必ず「対応径(mm)」を商品情報で確認しましょう。
交換刃の種類と選び方
パイプカッターは、刃を交換できるタイプが多いのも特徴。
特に金属用では刃が摩耗しやすいため、替刃の有無・交換方法も重要です。
- 刃の形状は専用規格(メーカー互換性に注意)
- 裏ネジ1本で交換可能なモデルが多い
- 替刃だけで1,000円〜2,000円前後
「替刃は別売りか?」「交換工具は付属か?」なども購入前に要チェックです。
おすすめモデル(実際に使って良かったもの)
🧰 SK11(エスケー11) パイプカッター 切断能力 4~32mm PC-32
- 本体付属刃:PSB-7(銅管・薄肉ステンレス鋼管用)
- 刃:SKS3
- 切断能力(パイプ直径):4~32mm
- 切断能力(パイプ肉厚):最大3mm(薄肉ステンレス鋼管・鋼管は1.2mm以下)
- 適合替刃:PSB-1(銅管用)
パイプの切断が正確に行える、パイプカッターです。銅管・真鍮管・アルミ管・塩ビ管・薄肉ステンレス鋼管の切断に。ノブに替刃を収納できます。面取りカッター付です。銅管・真鍮管・アルミ管・塩ビ管は3mmまで切断できます。薄肉ステンレス鋼管・鋼管は1.2mmまで切断できます。
🧰 イチネンTASCO TA560A チューブカッター
- 適合銅管外径:1/8″~11/4″(3.18~31.75mm)
- 最大肉厚:3mm
- スペア替刃1枚付
スペア替刃1枚付
標準装着刃(TA560A-1)
切れ味の良いバリの出が少ないカッター
🧰 マーベル(MARVEL) エンビカッター 最大外径48mm MVC-48
コンパクトサイズなのに、外径サイズ48mmまで対応です。
アタッチメント装着で、角度切りもスムーズに行えます。
5mmのスキ間でキワ切が可能です。
簡易的な替刃交換式です。
よくあるQ&A|買う前に知っておきたい疑問
Q. 替刃の寿命ってどのくらい?
使用頻度やパイプの材質によりますが、
塩ビ管なら数十本以上、金属なら10〜30本程度が目安です。
切れ味が落ちたと感じたら、無理せず交換を。
Q. ダイソー製のパイプカッターってどうなの?
ダイソーでは、**ハサミ型の塩ビ用パイプカッター(330円)**が一部店舗で売られています。
軽作業や細いVP管なら使えますが、厚めのパイプには不向きで、耐久性もやや不安あり。
「1回だけ試したい」「細いVU管しか切らない」という方ならアリですが、継続的に使うならホームセンター品を推奨します。
Q. どこまで太いパイプまで切れるの?
製品によって異なりますが、一般的な手動タイプでは**〜42mmまでが多く、それ以上は大型モデル(〜66mm)や電動タイプ**が必要です。
※無理に突っ込むと「回らない」「パイプが潰れる」などトラブルの元になるので、サイズ確認は慎重に!
まとめ|パイプカッターはDIYの強い味方!
パイプをまっすぐ切る——たったそれだけの作業でも、
使う道具によって仕上がりのキレイさ、作業スピード、ケガのリスクは大きく変わります。
パイプカッターは、
- 塩ビ管をサクッと切れるハサミ型
- 鋼管・銅管に対応するローラー式
- 大口径を効率よくこなす電動式
と種類も豊富で、目的に合った1本を選べばDIY作業がグッと快適に。
私自身、初めて手動パイプカッターを使ったときは「なんでもっと早く買わなかったんだろう」と本気で思いました。
最初の1本に迷っている方は、まずは塩ビ用のラチェット式から試してみると後悔しませんよ。
“パイプがスパッと切れる”感覚、ぜひ味わってみてください!