窓枠を白く塗ろうとしたら…まさかの事件発生
「よし、ここまで養生完了!シーラーも塗ったし、あとは色を重ねていくだけだね」
嫁が嬉しそうにローラーを置き、キッチンの窓枠を眺めた。真っ白な窓枠に生まれ変わる日を夢見て、彼女は朝から張り切っていたのだ。
だが、その視線はすぐに窓枠に取り付けられた折りたたみ式のタオルハンガーへ向かった。
「これが残ってたら塗れないじゃん。外しちゃおう!」
その言葉に、俺の中に一抹の不安がよぎった。
(あのネジ…だいぶ古そうだし、固まってるかもしれないな…)
「キュッ…キュキュッ…」
嫁がドライバーを差し込み、力を込めて回す。小さな金属音が響いた。
「あれ?回らない…」
さらに力を込める。
ガリッ!
「あっ!」
ドライバーが空回りした。ネジ頭の十字は潰れ、ツルツルに光っている。
「やっちゃった…もう取れない〜😥」
こちらを振り向いた嫁の表情は、まるで漫画のヒロインのように泣きそうだった。
こうして、我が家の舐めネジ救出作戦が幕を開ける。

「もう取れない〜😥」と半泣きで訴えてくる嫁。
ここから、我が家の**“舐めたネジ救出作戦”**が幕を開ける。
DIYヒーロー登場!舐めたネジとの戦い
「大丈夫だ、任せろ」
俺はヒーロー気取りで立ち上がり、倉庫へ向かった。
カチャカチャと工具箱を漁り、ついに赤と黄色のケースを掴む。
ベッセルのネジ外しビット。DIYerなら誰もが知る、舐めネジ専用の救世主だ。
これを手に戻ると、嫁は「???」と首をかしげた。
「なにそれ?ドライバーじゃないの?」
「まあ見てろって」
だが問題は、ネジ頭があまりに小さく、完全につるんとしていたこと。
そのままではビットが噛み込まない。
そこで俺はもうひとつの武器を取り出した。3mmのドリルビット。
電動ドライバーにセットし、舐めネジに狙いを定める。
「回転はゆっくりだぞ…」
自分に言い聞かせるようにスイッチを軽く押す。
「ググッ…カリカリ…」
金属を削る感触が手に伝わる。
慎重に、慎重に。斜めに入れば一巻の終わりだ。
「おお、穴が開いた!」と嫁が声をあげる。
無事、下穴が完成した。
今回使用したインパクトドライバー

救世主・ベッセルのネジ外しビットで解決!

いよいよ本番。
下穴にビットをセットし、インパクトドライバーを握る俺。
嫁は横で固唾をのんで見守っている。
「これで…外れるはずだ」
そうつぶやきながらトリガーを引いた瞬間――
……ガリッ。
嫌な音。ビットが空回りして、食いつかない。
「えっ!?なんで効かないの?」
思わず焦りがよぎる。嫁の表情も「本当に大丈夫なの?」と曇っていく。
一瞬、冷や汗が背中を流れた。
ここまで来て失敗したら、もうこのネジはどうしようもないかもしれない――そんな緊張感が走る。
けれど頭の片隅でハッと気づいた。
「そうだ…逆回転だ!」
さっきドリルで穴をあけた時のまま使ってしまっていた・・・
ねじ外しビットは逆回転で使用しなければねじは外れないのだ・・・
慌ててスイッチを正転から逆転に切り替え、再びゆっくりとトリガーを引く。
今度はビットがガチッと噛み込み、金属をえぐるような重たい手応えが伝わってきた。
「……いける!」
力を込めて回し続ける。
カリカリ…ゴリッ……
ねじが少しずつ回り始める・・・
そして次の瞬間――
コトン!
床に落ちた小さなネジを見た瞬間、緊張が一気にほどけた。
「おおっ!凄いっ!」と歓声を上げる嫁。
俺は深く息を吐きながら、汗ばんだ手の中でインパクトを握りしめた。
「ふぅ…危なかったな」
胸の奥に残ったのは、安堵と、ほんの少しの誇らしさだった・・・
ってかっこつけてんじゃねぇよっ、俺っ!www
(すみません、調子にのりましたwww)
ということで無事なめたねじを外すことができたわけである。

ベッセル(VESSEL)ネジはずしビット3本組 なめたネジ つぶれたネジM3~M8用 NEJ-123
作業の注意点
今回の経験から学んだ、実際の作業で気をつけたいポイントはこれ。
- 回転はゆっくり!
ドリルで穴を開けるときは低速で。高速だと滑って穴が開きにくい。 - 穴はできるだけ深く!
浅いとビットが噛まない。しっかり食いつけるだけの深さを確保する。 - 焦らず慎重に!
力任せや斜め drilling は失敗のもと。「ゆっくり・まっすぐ・深く」が成功のカギ。
なめたネジを外す方法まとめ
今回は「下穴 → ベッセルのネジ外しビット」で解決したが、他にも方法はある。
- ゴムをかませて摩擦力アップ
- ペンチやプライヤーで頭を掴んで回す
- ドリルで下穴を開けて専用ビット
- ネジ外し専用工具を使う(今回の方法)
- 最後の手段は壊して外す
特に今回のようにネジ頭が小さい場合、専用工具があると心強い。
DIYをする人なら、工具箱に一本忍ばせておくことを強くおすすめしたい。
まとめ|DIYはトラブルも思い出になる
窓枠を白く塗るだけのつもりが、まさかの“舐めネジ事件”。
けれど、3mmドリル+ベッセルのネジ外しビットで無事に解決できた。
「取れない〜😥」と泣きつく嫁と、「任せろ!」と倉庫から秘密兵器を取り出す俺。
予定外のトラブルすら、夫婦で笑い合える思い出に変わるのがDIYの面白さだ。
DIYは、計画通りにいかないからこそスキルも経験値も増える。
そして、成功の喜びは二人で共有すれば何倍にも膨らむ。
今日の“舐めネジ救出劇”も、きっと我が家のDIY史に残るワンシーンになるだろう。