電動工具を買おうと思ったとき、まず迷うのがこれじゃないですか?
「コード式にする? それともバッテリー式?」
見た目は似ているのに、値段も違うし、売り場も分かれているし、レビューを見れば見たで「絶対バッテリー」「いやコード式一択」と意見が真っ二つ。正直、初心者には判断材料が多すぎますよね。
僕も最初はよく分からずに丸ノコを購入しました。選んだのはコード式。理由は「なんとなくパワーが強そうだったから」。ところが、使い始めたその日にやらかしました。切断中、コードの位置をちゃんと確認していなかったんですね。気づいたときには、コードの被覆を少し削ってしまっていました。幸い中までは届いていなかったですが、「うわ、終わったかも…」と一瞬血の気が引きました。コード式にはコード式の注意点がある、と身をもって知った瞬間でした。
一方で、バッテリー式にも憧れはありました。コードがない自由さは魅力的です。でも、よく見ると本体が高い。さらに調べると、バッテリー単体もなかなかの価格。充電の手間もあるらしい。便利そうだけど、本当に自分に合っているのかは別問題なんですよね。
この記事では、コード式とバッテリー式の違いを、専門用語をできるだけ使わずにやさしく解説します。そして、メリット・デメリットを比較しながら、初心者が「自分にはこっちかな」と判断できるところまで一緒に整理していきます。
どちらが正解、という話ではありません。
使い方で変わる。それが答えです。
では、まずは基本的な違いから見ていきましょう。
そもそもコード式とバッテリー式って何が違うの?
まずは落ち着いて、基本の「き」から整理していきましょう。難しく考える必要はありません。違いはとてもシンプルです。電気をどうやって取っているか、そこが最大の違いです。
電源の取り方がまったく違う
コード式は、その名の通りコンセントから電気を取ります。壁の差し込み口につないで、そのままモーターを回す。言ってしまえば“直結型”です。だから出力が安定しやすく、電気が来ている限りパワーは落ちにくい。ブレにくい、迷いがない、そんな印象があります。
一方でバッテリー式は、本体に装着した充電池から電気を供給します。いわば“内蔵型”。いちいちコンセントを探さなくていいし、延長コードもいらない。持っていけばそのまま使える。機動力は圧倒的です。
仕組みとしてはそれだけなんです。でも、この違いが実際の使い勝手に大きく影響します。
見た目は似ていても中身は別モノ
例えばインパクトドライバー。コード式もバッテリー式も、パッと見はほぼ同じ形ですよね。でも、コード式は後ろにケーブルが伸びていますし、バッテリー式はグリップの下にゴツっとした電池パックが付きます。
重量バランスも違います。コード式は比較的軽く感じることが多いですが、コードの引っ張りがストレスになることもある。バッテリー式は取り回しは自由ですが、電池の分だけ手元が重くなる場合があります。
つまり、「どっちが軽いか」ではなく、「どこに負担がくるか」が違うんですね。
パワーは本当に違うの?
ここ、気になりますよね。昔は「コード式のほうがパワーが強い」とよく言われていました。実際その通りな場面も多かったです。でも最近のバッテリー工具は性能がかなり上がっていて、家庭用DIYレベルなら十分すぎるパワーが出るものも増えています。
ただし、長時間連続でガンガン使うとなると話は変わります。コード式は電気が切れない限り安定しますが、バッテリー式は残量が減ると出力が抑えられるタイプもあります。そして何より、残量ゼロになれば当然ストップです。やる気は満々、材料も準備万端、でもバッテリーが空。これ、地味に心が折れます。
逆に、屋外でコンセントがない場所ではコード式は延長コード頼み。届かない、絡まる、踏む、そしてあのヒヤッとする瞬間。どちらも万能ではありません。
ここまでが、コード式とバッテリー式の根本的な違いです。
シンプルですが、ここを理解していないと判断がブレます。
次は、それぞれのメリット・デメリットを、もう少し現実的な視点で見ていきましょう。
コード式のメリット・デメリット|パワーは頼れる。でも油断は禁物
ではまず、コード式からいきましょう。僕が最初に選んだのもコード式でした。理由は単純で、「なんか強そうだったから」。初心者あるあるですよね? でも、実際に使ってみて感じたことは、意外とシンプルでした。
メリット① パワーが安定している安心感
コード式の最大の強みは、やはり“安定感”です。コンセントから直接電気を取っているので、作業中に出力が落ちにくい。丸ノコやディスクグラインダーのような、回転数が命の工具ではこの安心感は大きいです。
切断中にパワーが揺れないというのは、仕上がりの精度にも関わりますし、何より精神的にラクです。「止まるかも」という不安がないのは、思った以上に大きいんですよ。
メリット② 長時間作業に強い
たとえばリフォーム作業。何枚も板を切ったり、連続で削ったりするような作業では、コード式は本当に強いです。バッテリー残量を気にせずに済むというのは、集中力を保つうえでも大切なポイントです。
「よし、このまま一気に終わらせよう」と思ったときに、そのまま突き進める。これは地味ですが、かなりありがたい性能です。
デメリット① コンセント問題
ただし、コンセントが前提です。当たり前ですが、近くに電源がないと使えません。屋外作業や駐車場での作業では、延長コードが必要になります。
この延長コードが、またなかなかの存在感なんですよね。絡む、引っかかる、足にまとわりつく。気をつけないと材料に引っかかったり、工具を引っ張ったりします。
「ちょっとしたストレス」が積み重なる感じです。
デメリット② コードの存在を忘れた日の悲劇
そして、ここが僕のやらかしポイントです。
初めて買った丸ノコ。嬉しくて、その日にさっそく板をカット。順調に切れていたんですが、次の瞬間「あっ」となりました。コードの位置を確認していなかったんです。
刃がコードにほんの少し触れました。幸い、被覆が削れただけで中まではいっていませんでした。でもあの瞬間のヒヤッと感。心臓に悪いです。
「コードがある」という前提を、作業に慣れていないと忘れてしまうんですよね。特に丸ノコのように前に進める工具では、後ろにあるコードの存在が意識から抜けやすい。
もちろん、これは使い方の問題です。でも初心者にとっては“起こり得る現実”。コード式は強い。けれど、常に後ろを意識する必要がある。そこは覚えておいたほうがいいポイントです。
やっちまった丸ノコは👇
コードさえ気を付ければとても良いですね!
充電式は充電器とバッテリー別売りでもこれぐらいはしちゃいますよね・・・
最初の一歩としては難しいところです。(欲しいけど・・・w)
コード式は、安定したパワーと長時間作業に強い頼れる存在です。ただし、取り回しや安全面では少し気を配る必要があります。
では次に、バッテリー式はどうなのか。自由さの裏にある現実も含めて見ていきましょう。
バッテリー式のメリット・デメリット|自由だけど、お金と段取りは必要
では次はバッテリー式です。正直に言うと、初めてホームセンターで手に取ったときは「うわ、カッコいいな」と思いました。コードがない。それだけでプロっぽく見えるんですよね。持って歩いて、そのまま作業できる。なんとなく“できる人”感がある。わかりますよね?
でも、実際に調べ始めると、良い面と同じくらい現実的な面も見えてきます。
メリット① コードがない自由さは本物
バッテリー式の最大の魅力は、やっぱり機動力です。コンセントを探さなくていい。延長コードを引っ張らなくていい。脚立の上でも、庭先でも、ガレージの奥でも、そのまま持っていけば使える。
これ、想像以上に快適です。コードに足を引っかける心配もないし、工具の取り回しもスムーズ。ちょっとした作業をパッとやりたいときには、本当にストレスが少ないです。
特にインパクトドライバーやドリルドライバーのような“ちょこちょこ使う工具”との相性は抜群です。ネジを数本締めるだけなのに、延長コードを出してくるのはちょっと面倒ですからね。
メリット② メーカー統一という戦略がある
もう一つのポイントが「バッテリーの共通化」です。同じメーカーで揃えると、1つのバッテリーを複数の工具で使い回せる場合があります。
※ただしここも注意が必要で、基本的には例えば14.4v の製品を購入したら、それと同じ14.4vの製品でしか使いまわせないです。
14.4vのバッテリーは36vの製品には使用できません。18vも同じく18vの製品でしか使えません。
※マルチボルトっていう18vと36vのバッテリーが共通で使えるっていう仕様のものもあります。
つまり、最初はインパクトだけ買って、次にサンダー 、さらに丸ノコ…と増やしていくときに、バッテリーが共通なら無駄がありません。これは将来的に工具を増やしていきたい人には大きなメリットです。
ただし、ここには前提があります。最初の一歩が、そこそこ高いという現実です。
デメリット① 本体価格が高め
バッテリー式は、本体価格がやや高めになることが多いです。理由はシンプルで、モーター制御や電子回路が複雑だからですし、セット販売にはバッテリーと充電器も含まれているからです。
「え、同じ工具なのにこんなに違うの?」と最初に感じる人は多いと思います。コード式のほうが価格は抑えられるケースが多いので、初期費用だけ見ると迷いやすいんですよね。
デメリット② バッテリーが意外と高い
そして地味に効いてくるのが、バッテリー単体の価格です。予備を買おうとすると「え、そんなするの?」となることがあります。工具本体よりは安いとはいえ、決して小さい金額ではありません。
さらにバッテリーは消耗品です。何年も使えば性能は落ちますし、いずれ交換も考えることになります。ここはコード式にはないランニングコストと言えるかもしれません。
マルチボルト👇
デメリット③ 充電を忘れた日の絶望
そして、これが一番“あるある”かもしれません。
「よし、今日はやるぞ!」と材料を用意して、工具を持った瞬間。
残量ゼロ。
充電器を見る。ランプ消灯。
昨夜、充電していなかった。
あの何とも言えない静かな敗北感。やる気だけが空回りします。
もちろん予備バッテリーを持っていれば防げます。でも、そのためにはさらに出費が必要です。バッテリー式は自由ですが、“段取り”が必要な工具でもあります。
バッテリー式は本当に便利ですし、現場でも主流になっています。ただ、自由さの裏には価格と管理という現実がある。ここを理解して選べば、後悔は減るはずです。
さて、ここまで両方の特徴を見てきました。
では結局、自分にはどちらが向いているのか。次の章でタイプ別に整理していきましょう。
結局どっちが向いている?タイプ別に考えてみる
ここまで読んで、「なるほど、どっちにも良さと弱点があるのは分かった。でも自分はどっち?」と思っているはずです。そうですよね。結局そこが一番知りたいところ。
なのでここでは、ありがちなDIYシーンごとに整理してみます。断言はしません。でも判断のヒントにはなるはずです。
家の中でじっくりDIYするなら?
室内作業がメインで、コンセントがすぐ近くにある環境なら、コード式はかなり相性がいいかもしれません。
丸ノコで板を切る、トリマーで削る、サンダーで仕上げる。こういう“回し続ける工具”は安定した出力が心強いです。バッテリー残量を気にしなくていいというだけで、集中力はかなり保てます。
ただし、コードの位置だけは常に意識する必要があります。僕みたいに削ると、テンション下がりますからね(笑)。作業前に「コードはどこだ?」と確認するクセをつければ、かなり防げる話でもあります。
ちょこちょこ作業が多い人なら?
棚にフックをつける、ネジを締める、軽く穴をあける。こういう“短時間作業”が多いなら、バッテリー式はとても快適です。
延長コードを引っ張り出す手間がないのは、想像以上にラクです。ほんの10分の作業のためにコードを準備するのって、地味に面倒じゃないですか?
ただし、その便利さを最大限に活かすには「充電管理」が必要です。使ったら充電。これを忘れると、次に困ります。
屋外やガレージ作業が多いなら?
庭、駐車場、ガレージの奥。コンセントが遠い場所での作業なら、バッテリー式の自由さはかなり武器になります。
延長コードを何本もつなぐより、工具だけ持って移動できるほうが安全面でも安心です。特に脚立作業では、コードがないほうが扱いやすいと感じる人は多いと思います。
とはいえ、長時間ガンガン使うなら予備バッテリーはほぼ必須。ここは予算との相談になります。
将来的に工具を増やすつもりなら?
ここは少し戦略的な話になります。
「これからインパクトもサンダーも丸ノコも欲しくなる気がする…」という人は、バッテリー式でメーカーを統一するという考え方もあります。バッテリー共通化は、後から効いてきます。
逆に「とりあえずこの1台だけ」という人なら、コード式で十分という考えもあります。パワーも安定していて、価格も抑えやすい。堅実な選択です。
結局のところ、絶対的な正解はありません。作業環境、頻度、予算、性格。全部絡みます。
僕の場合はどうかというと、丸ノコはコード式。インパクトはバッテリー式。そんな使い分けをしています。やらかしも含めて(笑)、それが今の落ち着きどころです。
では最後に、初心者が最初の1台を選ぶならどう考えればいいのか。まとめとして整理してみましょう。
はじめての1台、どう選ぶ?初心者が後悔しにくい考え方
ここまで読んで、「よし、理屈は分かった。でも、結局どっち買えばいいの?」というところですよね。わかります。比較はできても、決断はまた別の話です。
なのでここでは、“失敗しにくい考え方”を整理してみます。正解を押しつけるつもりはありません。判断の軸を持つこと、それが一番大事です。
まずは「よく使う場面」を想像してみる
これ、意外とやらないんですよね。スペックや価格ばかり見て、実際の作業風景を想像しない。
・家の中でじっくり作るのか
・ガレージや庭で作業するのか
・数分のネジ締めが中心なのか
・ガンガン切断する予定なのか
ここを具体的にイメージするだけで、かなり絞れます。
例えば丸ノコのように「回し続ける工具」を初めて買うなら、個人的にはコード式は安心感があると思っています。出力が安定していて、価格も抑えやすい。あとはコードの位置だけ本当に気をつける(笑)。僕のようにならないように。
逆に、インパクトドライバーを最初の1台にするなら、バッテリー式の快適さはかなり魅力的です。使いたいときにパッと使える。この差は大きいです。
初期費用だけを見ると判断を誤るかも
初心者のうちは「できるだけ安く」が本音ですよね。でも、本体価格だけで判断すると後からモヤっとすることがあります。
バッテリー式は高く感じます。でも、メーカーを統一して工具を増やすなら長期的には効率がいい場合もあります。
逆に、「この1台だけ」と決めているなら、コード式で十分というケースもあります。バッテリー代を考えなくていいぶん、気持ちもラクです。
どちらが得かは、使い方で変わります。
管理できるタイプかどうかも大事
これ、意外と重要です。
充電管理が苦にならない人なら、バッテリー式は最高です。
でも「その日の気分で動くタイプ」ならどうでしょう。前日に充電していないと詰みます。
僕は正直、やらかしました(笑)。
なので最近は「使ったら充電」をルール化しています。これを守れるなら、バッテリー式は強い味方になります。
迷ったら“用途別で分ける”という選択もある
すべてをどちらかに統一する必要はありません。
・回転工具はコード式
・取り回し重視はバッテリー式
こういう分け方も全然アリです。実際、そうしている人は多いです。
最初の1台で完璧を目指さなくてもいいんですよね。DIYは、少しずつ増えていくものですから。
最終的には、「自分がどんな作業をしたいか」。ここが一番の判断材料になります。
コード式にも良さがある。バッテリー式にも魅力がある。
あとは、あなたの作業スタイル次第です。
まとめ|「どっちが正解?」ではなく「どう使う?」で決める
ここまで読んでいただいて、きっとこう感じているかもしれません。
「結局、白黒つかないじゃないか」と。
はい、その通りなんです(笑)。でもそれは曖昧だからではなく、どちらもちゃんと使い道があるからなんですよね。
コード式は、安定したパワーと長時間作業への強さが魅力です。価格も比較的抑えやすく、回転工具との相性もいい。ただし、コードという存在を常に意識する必要がある。僕の丸ノコ事件のように、油断するとヒヤッとします。
バッテリー式は、とにかく自由。取り回しが楽で、作業のハードルが一段下がります。ですが、本体価格はやや高めで、バッテリーの追加費用や充電管理という“段取り”が必要になります。
どちらが優れているという話ではありません。
どんな作業をするのか、どこで使うのか、どのくらい頻繁に使うのか。それによって向き不向きが変わります。
そしてもうひとつ大事なのは、「完璧な選択」を目指さなくていいということです。最初の1台で全てを解決しなくてもいい。DIYは、やりながら自分のスタイルが見えてきます。
僕も最初はなんとなくコード式丸ノコを買って、コードを削り、学びました(笑)。でもその経験があったからこそ、次に何を選ぶかの判断軸ができました。
迷っているということは、ちゃんと考えている証拠です。
焦らず、自分の作業風景を想像しながら選んでみてください。
きっと、どちらを選んでも「使いこなせるようになる楽しさ」は同じです。




