外れない六角、締まる3爪|インパクトと電動ドリルの“口”に思想の違いがある話

外れない六角、締まる3爪|インパクトと電動ドリルの“口”に思想の違いがある話 DIY基礎知識

DIYを始めて、ある程度インパクトドライバーに慣れてくると、ふと疑問に思う瞬間、ありません?

「インパクトのほうが楽じゃない?」
「六角ビットって外れないし、正直これが完成形だと思うんだけど」
「なのに、なんで電動ドリルには、あの面倒なチャックが残ってるんだ?」

自分もまったく同じことを思っていました。
丸軸ビットは、ちゃんと締めたつもりでも空回りするし、力をかけた拍子にスポッと抜けることもある。そのたびにイラっとして、「やっぱインパクト最強だな」と思いますよね。
実際、DIY動画や現場写真を見ても、活躍しているのはだいたいインパクトドライバーだしね。

じゃあ、電動ドリルの存在意義って何なんだろう。
六角に統一したほうが楽だし、安全だし、初心者にも優しい気がする。
それなのに、なぜ今でも“締めるタイプの3爪チャック”が使われ続けているのか。

結論から言うと、これは古い設計が残っているわけでも、進化しきれていないわけでもない
インパクトと電動ドリルは、そもそも考えている仕事が違う工具で、その違いが「口(チャック)」にはっきり表れているだけなんです。

この記事では、

  • なぜインパクトは六角なのか
  • なぜ電動ドリルは3爪チャックなのか
  • 丸軸が空回りする理由
  • インパクトで穴あけして失敗する理由

このあたりを、DIY初心者が一度はつまずく視点から、順番に整理していきます。
「どっちが優秀か」ではなく、「なぜ両方あるのか」。
そこが分かると、工具の見え方が少し変わってくるはず。

  1. 結論:インパクトと電動ドリルは“得意分野が違うだけ”
    1. インパクトは「速く・止まらず・外れない」ことが最優先
    2. 電動ドリルは「まっすぐ・正確に・壊さず」が仕事
    3. 「全部インパクトでやればいい」はだいたい失敗フラグ
    4. 2種類あるのは中途半端だからじゃない
  2. インパクトドライバーのチャックは、なぜ六角なのか?
    1. 衝撃を使う以上、丸では絶対に耐えられない
    2. 「外れない」は親切設計ではなく必須条件
    3. 六角は「精度を捨てて、確実さを取った形」
    4. DIY初心者が「インパクト最強」と感じるのは自然なこと
  3. 電動ドリルのチャックは、なぜ今も残っているのか?
    1. 丸軸しか存在しない工具が、想像以上に多い
    2. 穴あけに必要なのはパワーより「安定」
    3. 空回りは欠陥ではなく、安全装置
    4. 電動ドリルは“失敗しにくい道具”として作られている
  4. 丸軸ビットが空回り・外れるのは、使い方が悪いのか?
    1. 3爪チャックは「均等に締める」前提で成り立っている
    2. 空回りは「失敗」ではなく、むしろ正常な反応のこともある
    3. それでも外れるなら、工具側の現実も疑っていい
    4. 六角に慣れた体が、余計に違和感を増幅させる
  5. じゃあ結局、どう使い分けるのが正解なのか?
    1. インパクトドライバーを選ぶべき作業
    2. 電動ドリルを選ぶべき作業
    3. 迷ったら「失敗したら困る方」を考える
    4. 両方持っていて初めて、道具が完成する
  6. なぜ六角と丸軸は統一されなかったのか?|“中途半端”ではなく“役割分担”という答え
    1. 工具は「万能」を目指すほど、使いにくくなる
    2. 六角と丸軸は、思想そのものが正反対です
    3. 「分かりにくさ」は初心者を守るためでもある
    4. 統一されなかったのは、今でも“正解が二つある”からです
  7. まとめ|六角が外れず、3爪が締まるのには、ちゃんと理由があります
    1. インパクトは“止めないための道具”、電動ドリルは“失敗しないための道具”です
    2. イラっとした経験は、実は正しい通過点です
    3. 迷ったら「どっちが正解か」より「どんな作業か」を考えてみてください
    4. 工具は意地悪ではなく、正直なだけです
  8. ちなみに私は・・・ ハイコーキのインパクト 14.4v
    1. あとは精度の出ない中華製電動ドリルをいまだに使っているwww

結論:インパクトと電動ドリルは“得意分野が違うだけ”

まず結論から言ってしまうと、インパクトドライバーと電動ドリルに「どっちが上か」という話はない。あるのは、それぞれが想定している仕事の違いだけなんです。
見た目も似ているし、どちらも回る。先端にビットを付けて材料に当てるという点だけ見れば、ほぼ同じ工具に見えるのも無理はない。でも中身でやっていることは、実はかなり違うんです。

インパクトは「速く・止まらず・外れない」ことが最優先

インパクトドライバーは、基本的にビスやネジを締めるための工具ですよね。しかも、ただ回して締めるのではなく、内部で叩くような衝撃を与えながら回します。
この「叩きながら締める」という動きがある以上、途中でビットがズレたり、抜けたりしては話になりません。だからインパクトは六角。力の掛かり方を形で受け止め、ガチッと噛み合わせて絶対に逃がさない。

例えるなら、インパクトは多少雑でもいいから、とにかく最後までねじ込む道具ってことです。多少斜めでも、多少硬くても、「気合と衝撃で行く」。体育会系。
「止まるな」「考えるな」「叩け」という世界観で作られています。

電動ドリルは「まっすぐ・正確に・壊さず」が仕事

一方、電動ドリルが一番得意なのは穴あけだ。しかも、ただ穴が空けばいいわけじゃないんです。
位置はズレていないか、径は合っているか、刃先はブレていないか。ここで求められるのはパワーよりも回転の安定と芯の正確さです。

だから電動ドリルは3爪チャック。丸軸を包み込むように締め付けて、回転の中心をできるだけ狂わせない。
これは扱いが面倒だからそうなっているわけではなく、「ブレないこと」が最優先だからなんです。

例えるなら、電動ドリルは職人タイプ
「勢いでいくな」「ちゃんと芯出せ」「一発で決めろ」という性格。
インパクトが体育会系だとしたら、こっちは文化系、理詰め派、メガネかけてるタイプ。

「全部インパクトでやればいい」はだいたい失敗フラグ

DIYに慣れてくると、インパクトの便利さにどんどん依存してきませんか?実際、ビス打ちは速いし、楽だし、失敗も少ない。
だからつい思っちゃうw「穴あけもインパクトでいけるんじゃね?」と。

そして、だいたい一度はやらかしますよねw
刃が暴れて穴がガタガタになったり、ビットがすぐダメになったり、最悪、材料のほうが負けちゃう。
これは腕が悪いわけじゃないですよ。向いてない工具でやっているだけです。

インパクトは「衝撃で止まらない」ことを前提にしている。
電動ドリルは「安定して回り続ける」ことを前提にしている。 ので、
前提が違えば、チャックの形が違うのは当たり前といえば当たり前なんですよね。

2種類あるのは中途半端だからじゃない

六角と3爪が共存しているのは、どちらかが中途半端だからではありません。
むしろ逆で、それぞれが自分の仕事に全振りした結果、形が分かれただけなんです。

外れないことが正義の世界では六角が正解。
芯が出ることが正義の世界では3爪が正解。

だから今も両方売られているし、どちらも現役だし、今後も消えない。
DIYで迷ったときは、「どっちが強そうか」ではなく、「今やろうとしている作業は、どんな性格の仕事か」を考えるといいと思います。
それが分かるようになった時点で、もう工具に振り回される側ではなくなっているはずですよ。

インパクトドライバーのチャックは、なぜ六角なのか?

インパクトドライバーのチャックを改めて見ると、構造はかなり割り切っている。六角ビット専用、ワンタッチ装着、抜けない。
これだけ見ると「便利だからこうなった」と思いがちだけど、実際はその逆で、そうしないと成立しない使い方を想定しているから、この形になっているんです。

衝撃を使う以上、丸では絶対に耐えられない

インパクトドライバーは、見た目以上に中で乱暴なことをやっています。
スイッチを入れると、ただ回るのではなく、「回す → ガツンと叩く」を高速で繰り返す。この衝撃があるから、固いビスでも止まらずに入っていく。

もしここに丸軸ビットを使ったらどうなるか。
答えは簡単で、空回りするか、削れるか、飛ぶ。たぶん全部起きるでしょうねw
摩擦だけで固定する丸軸は、衝撃前提の世界ではあまりにも非力。

六角は形そのもので力を受け止めるので、滑らない、ズレない、削れにくい。
インパクトが六角を選んだのは、「便利そうだから」ではなく、それ以外の形では仕事にならなかったからなんですね。

「外れない」は親切設計ではなく必須条件

インパクトを使う場面を思い出してみると、案外姿勢が悪いとおもいませんか。
中腰、脚立の上、片手で材料を押さえながら…という状況が普通にある。そんな中で、ビットがスポッと抜けたらどうなるか・・・。
落とす。探す。イラつく。下手すりゃ足に落ちる。ってなりますよねwww

だからインパクトのチャックは、引っ張らない限り外れない構造になっています。
これは「ユーザーに優しい」ためというより、作業を止めないための必須条件ってことなんです。

ワンタッチで付け替えられるのも、スピード重視というより「考えなくていい」ようにするため。
インパクトは、ビス打ちという単純だけど数の多い作業を、とにかく止めずに進める道具なんです。脳みそは寸法と段取りに使え、ビット交換で思考を止めるな、という思想が見えますよね。

六角は「精度を捨てて、確実さを取った形」

六角ビットは、実は芯出し精度という点ではそこまで優秀ではないんです。
ピッタリ真円ではないし、構造上どうしてもわずかなブレが出る。
でもインパクトにとって、そこは重要じゃありません。

ビスを打つ作業では、
・多少ブレても問題ない
・多少斜めでも最後は押し切れる
・止まることのほうが致命的

という考え方が前提になります。
だから六角は、精度を少し捨ててでも「確実に伝わる力」を優先しているんです。

これは例えるなら、細かい筆記具じゃなく太いマジックを選んでいるようなものだと思います。
線の美しさより、見えること、書き切れることが大事、という世界。

DIY初心者が「インパクト最強」と感じるのは自然なこと

ここまで読んで、「やっぱインパクト最強じゃん」と思っても、それは間違いじゃあありません。
DIY初心者が最初につまずくのは、実は精度よりも「作業が止まること」だからだと思います。

ビットが抜ける、回らない、途中で負ける。
こういうストレスを一気に解消してくれるのがインパクトドライバー。
だから使っていて気持ちがいいし、成功体験が増えるんですよね。

ただし、それはインパクトが万能だからではなく、ビス打ちという分野で極端に最適化されているからです。六角チャックは、その最適化の象徴みたいなものですね。

電動ドリルのチャックは、なぜ今も残っているのか?

インパクトドライバーの六角チャックを見てしまうと、正直こう思ってしまいます。
「もうこれで完成じゃない?」「電動ドリルのチャック、必要?」
ガリガリ締める手間もないし、外れる心配もない。初心者からしたら、六角に統一した方がよほど親切に見えるなぁ~ってwww。

それでも、電動ドリルの3爪チャックは今も消えずに残っている。
じつはこれは惰性でも妥協でもなく、なくしてしまうと成立しない作業が山ほどあるからなんですよね

丸軸しか存在しない工具が、想像以上に多い

DIYで使う回転工具を思い浮かべてみると、ビスやネジ以外のほうが実は多いと思いませんか?
木工用ドリル刃、金属用ドリル刃、ステンレス用、タイル用、ホールソー、ワイヤーブラシ、面取り、撹拌棒…。
これらの多くは、六角ではなく丸軸が前提で作られています。

なぜか。
理由は単純で、芯を正確に出す必要があるからなんです。
六角はどうしても形のクセが出る。回せば回すほど、わずかなブレが蓄積する。穴あけや研磨では、そのわずかな差がそのまま仕上がりに直結する。

電動ドリルの3爪チャックは、丸軸を包み込むように締めることで、回転中心をできるだけズラさない。
地味だけど、穴あけ作業ではこれが命なんですね。
派手さはゼロ、でも失敗も少ない。縁の下の力持ちタイプだと自分は思ってますねw

穴あけに必要なのはパワーより「安定」

インパクトで穴あけしてみた人は分かると思ういますが、最初は勢いよく入る。でも途中から刃が暴れ始める。音も嫌な感じになる。ってなりませんか?
そしてだいたい「思ってた穴と違うもの」が出来上がってしまったり・・・

これは腕の問題じゃあないですよ。
インパクトは衝撃が入る構造上、回転が常に微妙に乱されるので、ビス打ちではそれが武器になりますが、穴あけではただのノイズになっちゃいます。

電動ドリルは回転が一定。
速さよりも、同じリズムで回り続けることを大事にしています。
穴あけは格闘技じゃなく、バランス競技みたいなものなので、ここでインパクトを持ち出すとだいたい空回りするか、素材が先に負けることになっちゃいますね。

空回りは欠陥ではなく、安全装置

丸軸ビットが空回りすると、正直ストレスが溜まりませんか?
「ちゃんと締めたはずなんだけど?」と何度もチャックを締め直す。
この感覚だけを見ると、3爪チャックは不親切に思えるだなぁ~って思えちゃいます。

でも実は、この空回りは意図的に残された余白でもあるんです。
刃が噛み込んだとき、材料が想定より硬かったとき、力をかけすぎたとき。
そこで完全に固定されていたら、今度は工具が止まらず、手首や腕に全部返ってきます。

3爪チャックは、限界を超えたときに滑ることで、人間側を守ってくれています。
失敗させない工具というより、「ケガさせない工具」にという方が正しいかも。

電動ドリルは“失敗しにくい道具”として作られている

インパクトが「止まらない」道具なら、電動ドリルは「壊さない」道具だと思います。
材料も、刃も、人間も。
そのために、あえて手間のかかる構造を残しているってことなんです。

締めるのが面倒なのは事実。でもその分、
・芯が出る
・力が伝わりすぎない
・作業が安定する

という恩恵があります。

初心者のうちは気づきにくいけれど、
一発で穴を決めたい場面ほど、電動ドリルが必要になります
地味だけど、いなくなると困る。3爪チャックは、そういう立ち位置の存在なんです。

丸軸ビットが空回り・外れるのは、使い方が悪いのか?

丸軸ビットを使っていると、誰しも一度は経験するアレ。回そうとした瞬間に「キュッ」と嫌な音がして止まる、あるいは力を入れた拍子にスポッと外れる。さっき締めたばかりなのに、なぜか信用できない。この瞬間のストレスはなかなかのもので、「もう六角でいいじゃん」と思ってしまうのも無理はないです。
結論から言うと、これは使い方が原因のこともあるし、そうじゃないこともあります。そしてやっかいなのは、見た目ではその違いが分かりにくいところなのです。

3爪チャックは「均等に締める」前提で成り立っている

電動ドリルの3爪チャックは、丸軸を3点でつかんで保持する構造です。この構造、実はかなり素直で、「均等に締めたら力を発揮するし、偏ると簡単に滑る」という正直な性格をしています。ありがちな失敗は、一か所だけガリッと締めて終わること。そうすると、見た目は締まっているのに内部では力が偏り、回した瞬間に空回りします。
位置を変えながら2〜3回締め直す、これだけで状況が改善するケースは多はず。インパクトの「カチッ一発」に慣れていると、この動作がやけに面倒に感じるれど、電動ドリルはそういう作法込みの道具だと思った方が気が楽です。

空回りは「失敗」ではなく、むしろ正常な反応のこともある

それでも空回りする場合があります。このとき、すぐに「ダメだこれ」と判断しがちだけれど、実は必ずしも異常ではありません。
刃が噛み込みかけたとき、材質が想定より硬かったとき、あるいは単純に力をかけすぎたとき、3爪チャックは滑ることで負荷を逃がします。
これは欠陥というより、意図された安全装置です。
もしここで完全に固定されていたらどうなるか?
今度はビットが折れるか、材料が割れるか、最悪、手首が持っていかれます。
電動ドリルは「多少失敗しても大事故にならない」方向に寄せた設計なので、滑る余地が残されています。初心者には不親切に見えるけれど、実はかなり人間想いなんですよw。

それでも外れるなら、工具側の現実も疑っていい

もうひとつ、見ないふりをしがちな現実もあります。
工具側の精度の問題です。特に価格を抑えた電動ドリルでは、チャックの加工精度や耐久性にどうしても差が出てしまいます。
均等に締めても噛み込みが甘かったり、摩耗が早かったりするものもあります。この場合、使い方をどれだけ丁寧にしても、限界はありますよね。
これは知識不足でもセンスの問題でもなく、ただの個体差と価格帯の話。ここで自分を責める必要はまったくありませんよ。

六角に慣れた体が、余計に違和感を増幅させる

さらに厄介なのが、感覚のズレです。六角ビットに慣れると、「回せば必ず力が伝わる」という感触が体に染みついちゃったりしませんか?
その状態で丸軸を使うと、少しでも滑った瞬間に「ダメだこれ」と感じちゃう。でもそれは性能差というより、思想の違う道具を同じ感覚で扱っているだけの話なんですよね。
インパクトは止まらない道具で、電動ドリルは無理をしない道具。この前提を理解すると、空回りしたときのイラっと感はかなり減るんじゃないかと思います。「あ、これは無理する場面じゃないな」と一呼吸置けるようになるはずです。

結局のところ、丸軸ビットが空回りしたり外れたりするのは、ミスであることもあるし、正常な反応であることもあります。
その違いを見極められるようになった時点で、電動ドリルはただの面倒な工具から、「安心して任せられる相棒」に変わるはずです!

じゃあ結局、どう使い分けるのが正解なのか?

ここまで読むと、たぶん頭の中はこうなっていると思います。
「理屈は分かった。でも現場では結局どっち使えばいいんだ?」
これは正しい疑問で、むしろそこに行き着いたなら話は早いです。インパクトと電動ドリルの違いを理解する一番シンプルな基準は、「力が欲しいか」「正確さが欲しいか」、たったそれだけなんですよ。

インパクトドライバーを選ぶべき作業

インパクトが活躍するのは、とにかく作業を止めたくない場面です。
木材にビスを打ち込む、数をこなす、途中で固くなっても押し切りたい。多少のズレや斜めは問題にならないし、むしろ止まらないことのほうが重要。
こういう作業では、六角チャックの「外れない」「迷わない」「伝わる」という特性がそのまま武器になります。考えずにガンガンいける。インパクトは、DIYにおける力仕事担当です。
例えるなら、多少雑でも最後まで運んでくれる引っ越し屋みたいな存在で、段ボールの角が少し潰れようが、とにかく終わらせることが正義って感じです。

電動ドリルを選ぶべき作業

一方で、電動ドリルを使うべきなのは、結果の精度がそのまま仕上がりに影響する場面です。
金属への穴あけ、下穴の位置が重要な木工、径がズレると部品が合わなくなる作業。
ここではパワーよりも安定した回転が命。ゆっくりでもいいから、芯をズラさず、刃を暴れさせない。電動ドリルは、作業を「成功させる」ための道具なんです。
派手さはないけれど、ここで手を抜くと後工程が全部狂う。
インパクトで無理やりいった結果、「穴が合わない」という地味だけど致命的な失敗を経験した人なら、このありがたみが分かるはずw

迷ったら「失敗したら困る方」を考える

インパクトか電動ドリルかで迷ったときは、こう考えるといいと思います。
失敗したら一番困るのは何か?
ビスが少し斜めでも後でやり直せるならインパクト。穴の位置がズレたら取り返しがつかないなら電動ドリル。この基準で考えると、選択はかなり明確になると思いますよ。

力で押し切れる作業か、やり直しが効かない作業か。
スピードを優先するか、結果を優先するか。
インパクトと電動ドリルは、この対立構造をきれいに分担しています。

両方持っていて初めて、道具が完成する

ここで一つ、身も蓋もないことを言ってしまうと、インパクトと電動ドリルは「どちらか一方」ではなく「両方あって完成」ってことなんです。
どちらかを万能扱いし始めた瞬間、失敗が増えます。逆に、適材適所で使い分けられるようになると、DIYのストレスは一気に減ります。

なぜ六角と丸軸は統一されなかったのか?|“中途半端”ではなく“役割分担”という答え

ここまで読んで、「なるほど、使い分けは分かった」と感じているかもしれません。
それでも、心のどこかでこう思っていないでしょうか。「でもさ、技術が進歩したなら、そろそろどっちかに統一されてもよくない?」と。
気持ちは分かります。家電やデジタル機器なら、規格統一は正義ですし、「昔の方式が残っている=時代遅れ」と感じてしまうのも自然です。

ですが、工具の世界ではこの考え方が必ずしも当てはまりません。
六角と丸軸が統一されなかった理由は、技術的にできなかったからではなく、統一してしまうと困る場面が多すぎたからです。

工具は「万能」を目指すほど、使いにくくなる

もし仮に、「外れなくて、衝撃にも強くて、芯も完璧に出るチャック」を作ろうとしたらどうなるか・・・
理論上は可能かもしれませんが、構造は複雑になり、サイズは大きくなり、価格も跳ね上がります。しかも、どの作業でも“そこそこ”には使えても、“最高に気持ちよく”は使えなくなります。

インパクトドライバーは、ビスを締めるために、あらゆる要素をそぎ落として六角に振り切りました。電動ドリルは、穴あけの安定性を守るために、多少の手間を受け入れて3爪チャックを残しました。どちらも「中途半端」なのではなく、「やる仕事を限定した結果、ああなった」というだけの話です。

六角と丸軸は、思想そのものが正反対です

六角は、「力を確実に伝える」ことが正義の世界です。
多少のブレや雑さよりも、とにかく止まらないこと、外れないことが評価されます。
一方、丸軸は、「無理をしない」ことが正義の世界です。
芯を外さず、道具や材料を壊さず、人間にケガをさせない。そのためなら、多少滑ることも受け入れる設計になっています。

この二つの思想は、実はかなり相性が悪いです。
どちらかに寄せると、もう一方の良さが必ず犠牲になります。だから統一されなかったのではなく、あえて分かれたまま残されたと考えたほうがしっくりきます。

「分かりにくさ」は初心者を守るためでもある

正直に言えば、六角と丸軸が混在しているせいで、初心者が迷うのも事実です。
ですが、その迷いがあるからこそ、「これはどんな作業なのか?」と一度考える癖がつきます。
全部がインパクトで押し切れる世界だったら、失敗はもっと派手で、取り返しがつかなくなっていたかもしれません。

電動ドリルのチャックが少し面倒なのは、「勢いでいくなよ」という無言のブレーキでもあります。
そのブレーキがあるから、慎重さが必要な作業で立ち止まれる。これは初心者にとって、実はかなりありがたい仕組みです。

統一されなかったのは、今でも“正解が二つある”からです

六角と丸軸が今も共存しているのは、どちらも現役で、どちらにも明確な役割があるからです。
速さと確実さを求める場面では六角が正解で、精度と安定を求める場面では丸軸が正解になります。
正解が二つある以上、無理に一つにまとめる必要はありません。

工具の世界では、「選べる」ということ自体が完成形です。
六角と3爪は、どちらかが勝った結果ではなく、役割分担がうまくいった結果として今も残っている。そう考えると、この分かれ方もなかなか合理的に見えてきます。

まとめ|六角が外れず、3爪が締まるのには、ちゃんと理由があります

ここまで読んでいただいたなら、もう「インパクトのほうが上」「電動ドリルは時代遅れ」とは思わなくなっているはずです。
外れない六角にも、締まる3爪にも、それぞれきちんとした役割と思想があります。どちらかが不完全なのではなく、最初から目指している仕事が違う。ただそれだけの話でした。

インパクトは“止めないための道具”、電動ドリルは“失敗しないための道具”です

インパクトドライバーは、作業を止めないことが最優先です。多少雑でも、多少強引でも、とにかく最後までやり切る。そのために六角チャックを選び、外れない構造に振り切っています。
一方、電動ドリルは、失敗しないことを最優先にしています。芯を外さず、刃を暴れさせず、道具も人も壊さない。そのために、あえて手間のかかる3爪チャックを残しています。

どちらが優秀という話ではなく、性格がまったく違うのです。

イラっとした経験は、実は正しい通過点です

丸軸ビットが空回りしてイラっとしたこと、インパクトで穴あけして失敗したこと。
これらは恥ずかしい失敗でも、向いていない証拠でもありません。むしろ、工具の違いに気づくための“通過儀礼”みたいなものです。

その違和感があるから、「あれ? これって道具の問題じゃない?」と考え始めます。
そこで初めて、六角と3爪がなぜ存在しているのかが見えてきます。

迷ったら「どっちが正解か」より「どんな作業か」を考えてみてください

DIYで迷ったときは、どの工具が強そうかを考える必要はありません。
それよりも、「この作業は速さが欲しいのか」「正確さが欲しいのか」、ここだけ考えれば十分です。

速く、止まらず、数をこなしたいならインパクト。
一発で決めたい、ズレたら困るなら電動ドリル。
この判断ができるようになると、工具は一気に扱いやすくなります。

工具は意地悪ではなく、正直なだけです

六角が外れないのも、3爪が少し面倒なのも、すべて理由があります。
工具はユーザーを試しているわけでも、初心者を振り落とそうとしているわけでもありません。
ただ、「自分はこういう仕事をする道具だ」と正直に主張しているだけです。

その主張を理解して使い分けられるようになった時点で、もうDIY初心者としては一段階上に上がっています。
これからは、工具に振り回される側ではなく、道具を選ぶ側です。

外れない六角も、締まる3爪も、どちらも正解。
違いが分かれば、DIYはもっと楽になりますし、無駄な失敗も減っていきます。
あとは実際の作業で、「今日はどっちの出番かな?」と考えながら使ってみてください。それだけで、工具との付き合い方が少し変わるはずです。

ちなみに私は・・・ ハイコーキのインパクト 14.4v

ですが、いろいろDIYをやりだして、18vでよかったなぁ・・・
といまさらながらにして思っています。
まぁ作業内容にもよるんですけどね・・・

今はこれが欲しいなぁ・・・👇

電気屋の友達が自分の家のガレージ手伝ってくれた時に使用していた、マキタのこれ👇

これめちゃくちゃ使えますね? 通常のインパクト+これあったら最強ですね!!!
欲しいw

あとは精度の出ない中華製電動ドリルをいまだに使っているwww

こんなやつねw👇

幸いにして自分のものはもう何年も使えてるwww
精度が高い作業はまだしてないってことでw

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