ディスクグラインダーを買った、もしくはこれから買おうとしている。
そこまでは順調だったのに、次の砥石売り場で急に足が止まる。
棚一面に並ぶ砥石、見たことのない名前、用途がよくわからない表記。「切断」「研削」「研磨」……全部似て見えるし、どれが正解なのかさっぱりわからない。正直、ここが一番むずかしいと思う。
ディスクグラインダー本体の記事や動画は多いけれど、「じゃあ砥石は何を買えばいいの?」という部分になると、一気に情報が散らばる。しかも砥石選びを間違えると、思った作業ができなかったり、無駄な買い物になったりする。初心者ほど、ここでつまずきやすい。
この記事は、ディスクグラインダーの砥石だけに絞った内容だ。
すべてを完璧に理解する必要はないし、いきなりプロみたいになる必要もない。目的はひとつ、最初の1枚を失敗せずに買えるようになること。それだけに集中して話を進めていく。
切断なのか、削りたいのか、仕上げたいのか。
金属なのか、木材なのか、コンクリートなのか。
サイズや穴径はどこを見ればいいのか。
このあたりを順番に整理していけば、ホームセンターで砥石の前に立ったとき、「これは違う」「これは使えそう」と判断できるようになると思う。迷っても、店員に何をしたいか説明できるようになる。この記事は、そのための迷子防止マニュアルだ。
ディスクグラインダーの砥石は、なぜこんなに種類があるのか
ディスクグラインダーの砥石売り場に行くと、まず数の多さに圧倒されると思う。似たような円盤がずらっと並んでいて、名前も用途もバラバラ。初心者からすると「こんなに細かく分ける必要ある?」と感じるのも無理はない。
でも、砥石の種類が多い理由はシンプルで、ディスクグラインダーはひとつの作業専用の工具ではないからだ。切ることもできるし、削ることもできる。表面を整えたり、仕上げたりもできる。その代わり、それぞれの作業に向いた砥石が違う。
たとえば「切る」という作業ひとつ取っても、金属をスパッと切りたいのか、コンクリートを切りたいのかで話はまったく変わる。硬さも摩耗の仕方も違うし、同じ砥石で両方をうまくこなすのは難しい。だから砥石は用途ごとに分かれている。
もうひとつ、初心者が混乱しやすいポイントがある。それは「見た目が似ているのに、役割が違う」ことだ。切断用と削る用、研磨用は、パッと見ただけでは区別がつきにくい。でも実際には、厚みや材質、構造がまったく違っていて、使い方も違う。ここをなんとなくで選んでしまうと、「切れない」「削れない」「思ってた作業ができない」という失敗につながりやすい。
そしてもう一つ大事なのが、安全面の理由だ。
砥石は消耗品だけど、高速で回転する道具でもある。用途に合っていない砥石を使うと、無理な力がかかったり、異常に減りが早かったりすることがある。だからメーカー側も「これはこの用途で使ってほしい」という前提で、あえて種類を細かく分けている。
ここまで読むと、「やっぱり難しそう」と思うかもしれない。でも安心してほしい。初心者が最初に理解するべきことは、砥石の種類をすべて覚えることではない。砥石は万能ではない、役割があるという点さえ押さえられれば十分だ。
このあと解説する「切断」「削る」「研磨」という役割の違いがわかれば、砥石の種類は一気に整理されて見えるようになる。全部を理解しようとしなくていい。まずは、自分がやりたい作業に合った砥石を選べるようになること。それが最初の一歩だと思う。
まずはここだけ理解|砥石は「切断・削る・研磨」で役割が違う
ディスクグラインダーの砥石で迷う一番の理由は、「全部同じように見えるのに、役割が違う」という点だと思う。円盤の形をしていて、機械に取り付けて回す。そこまでは共通しているから、なおさら違いがわかりにくい。
でも、砥石は大きく分けると、切断・削る(研削)・研磨という三つの役割に分かれている。この違いを知らないまま砥石を選ぶと、「作業できない」「思ったようにならない」という失敗につながりやすい。逆に言えば、ここさえ押さえておけば、砥石選びは一気に楽になる。
切断用砥石|材料を「切り離す」ための砥石
切断用砥石は、その名のとおり材料を切るための砥石だ。
ボルトを切る、鉄棒を切る、不要なステーを切断するといった作業がこれに当たる。
特徴は、とにかく薄いこと。
この薄さのおかげで、材料にスッと食い込み、摩擦を最小限にしながら切断できる。ただし薄い分、強い横方向の力には向いていない。切断用砥石で削ろうとしたり、無理な角度で押し当てたりすると、うまくいかないだけでなく、砥石を傷める原因にもなる。
初心者がよくやってしまうのが、「切れそうだから削れるだろう」と思って使ってしまうケース。でも切断と削りは、目的も力のかかり方もまったく違う作業だ。切断用砥石は“切る専用”だと割り切った方が失敗しにくい。
研削用砥石|削る・形を整えるための砥石
研削用砥石は、材料を少しずつ削るための砥石だ。
バリを取る、サビを落とす、溶接跡をならすなど、「形を整える」「表面を削る」作業がメインになる。
切断用砥石と比べると、厚みがあるのが特徴。
この厚みがあるおかげで、面で当てたり、ある程度力をかけたりしても安定して使える。初心者が最初に「削りたい」と思ったとき、多くの場合はこちらの砥石が合っている。
ただし、研削用砥石は切断には向いていない。
無理に切ろうとすると、時間がかかるだけでなく、砥石にも負担がかかる。切るのか、削るのか。この判断を先にするだけで、砥石選びの失敗はかなり減る。
研磨用砥石|仕上げ・表面を整えるための砥石
研磨用の砥石は、切断や研削のあとに使う“仕上げ用”の砥石だ。
表面をなめらかにしたり、キズを目立たなくしたりする役割がある。
見た目は砥石というより、ディスク状のスポンジや布に近いものも多い。削る力は弱く、その分、材料を大きく削りすぎる心配が少ない。
初心者の場合、「最初から研磨まで全部やらなきゃ」と思う必要はないと思う。まずは切断か研削ができれば十分で、研磨は必要になってから追加すればいい。最初の1枚として無理に揃える必要はない、というのが正直なところだ。
まず覚えるのは「どの作業をしたいか」
ここまで読むと、砥石の役割はそこまで難しい話ではないと感じると思う。
重要なのは、砥石の名前を覚えることではなく、自分が今やりたい作業は「切る」「削る」「仕上げる」のどれなのかを決めることだ。
この判断ができるようになるだけで、ホームセンターの砥石売り場で迷う時間は大きく減る。次の章では、これをさらに具体的にして、素材ごとに「どの砥石を選べばいいのか」を整理していこう。
素材別で考える|木材・金属・コンクリートに使う砥石の違い
砥石選びで失敗しやすいポイントのひとつが、「作業内容は考えたけど、素材まで意識していなかった」というケースだ。同じ「削る」作業でも、木材と金属、コンクリートでは条件がまったく違う。だから砥石も、それぞれに向いたものが用意されている。
ここでは、初心者が混乱しやすい木材・金属・コンクリートの三つについて、「ディスクグラインダーで何ができて、どこに注意すればいいのか」を整理していこう。
金属に使う砥石|初心者が最初に使うことが多い
ディスクグラインダーが活躍する場面で、いちばん出番が多いのが金属だと思う。
ボルトを切る、サビを落とす、鉄ステーの角を削る。バイクや車DIYでも、まず触るのは金属がほとんどだ。
この場合、基本になるのは金属用と明記された砥石だ。
切断なら切断用砥石、削るなら研削用砥石。役割さえ合っていれば、極端に失敗することは少ない。
初心者がやりがちなのは、「金属用」と書いてあれば何でも万能だと思ってしまうこと。でも実際には、切断と研削は別物だし、サビ落としと形を整える作業でも使う砥石は変わる。まずは「切りたいのか、削りたいのか」をはっきりさせることが、金属作業ではいちばん大事だと思う。
金属に穴をあけるならこの記事を参考にしてみて👇
木材にディスクグラインダーは使える?
木材にディスクグラインダーを使えるのか、という疑問はよくある。結論から言うと、使えなくはないけれど、向いている作業はかなり限られる。
ディスクグラインダーは回転数が高く、削る力も強い。そのため、木材を一気に削ることはできるが、コントロールが難しい。表面をきれいに整える、仕上げる、といった用途にはあまり向いていない。
ちなみに、これは完全に実体験なのだけれど、友人に頼まれて古いソファを解体したとき、金属用の切断砥石で木材部分まで無理やり切ろうとしたことがある。結果どうなったかというと、木はほとんど切れず、摩擦で焦げるような状態になり、煙が出てきて「これ、ちょっと危ないな」と感じた。さすがに火が付く前にやめたけれど、木材を切る用途としては完全に向いていなかったと今でも思っている。
この経験から感じたのは、ディスクグラインダーは「何でも切れる工具」ではないということ。木材については、そもそも別の工具を選んだ方が、安全で作業もきれいに進む場合が多い。初心者ほど、「使えるかどうか」よりも「向いているかどうか」で判断した方が、失敗が少ないと思う。
木材を削るなら・・・ こっちのほうがいいかもね👇
コンクリート・ブロック用砥石は専用品と考える
コンクリートやブロックに使う砥石は、金属用とはまったくの別物だ。
とにかく硬く、削るというより「削り取る」というイメージに近い。
この分野では、コンクリート用・石材用と書かれた専用品を使うのが基本になる。金属用砥石で無理に削ろうとすると、ほとんど作業が進まなかったり、砥石が異常に減ったりすることがある。
初心者が注意したいのは、「たぶん削れるだろう」と思って代用しないこと。コンクリート系の作業は、砥石選びを間違えると効率が極端に悪くなる。逆に言えば、専用品を選んでしまえば、作業自体はそこまで難しくない。
切る・削る・研磨|用途と砥石の違いがひと目でわかる表
作業内容 × 材質 × 砥石の目安一覧
| やりたい作業 | 主な用途イメージ | 対応する砥石の種類 | 番手・特徴の目安 | 主な対象材質 | 初心者の注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 切る | ボルトを切る、鉄棒を切断 | 切断用砥石 | 薄型(1〜2mm前後) | 金属(鉄・スチール) | 削りには使えない。横方向の力をかけない |
| 削る | サビ落とし、角を落とす、バリ取り | 研削砥石 | 厚みあり/番手表示なしが多い | 金属 | 切断はできない。削り専用と割り切る |
| 削る(荒削り) | 大きな凹凸を削る | フラップディスク(粗目) | #40〜#60 | 金属 | 削れすぎやすい。最初は軽く当てる |
| 削る(ならし) | 表面を整える | フラップディスク(中目) | #80〜#120 | 金属 | 仕上げ前の段階向き |
| 研磨 | 表面をなめらかにする | フラップディスク(細目) | #150〜#240 | 金属 | 最初の1枚としては必須ではない |
| 研磨 | 最終仕上げ | 研磨ディスク・不織布系 | 番手表記なし/柔らかめ | 金属 | 削る力は弱い。仕上げ専用 |
| 削る | 表面を削る・整える | コンクリート用砥石 | 専用品 | コンクリート・ブロック | 金属用は使わない |
| 切る | ブロック・タイル切断 | ダイヤモンドカッター | 刃物タイプ | 石材・コンクリート | 金属切断用とは別物 |
| 削る(注意) | 木材加工 | 木工用ディスク | 専用品 | 木材 | 無理に使わない方が安全な場合が多い |
素材が違えば、砥石も違うと割り切る
ここまでを見ると、砥石はかなり細かく分かれているように感じるかもしれない。でも考え方はシンプルで、素材が違えば、適した砥石も違うというだけの話だ。
初心者のうちは、「これ1枚で何でもできる砥石」を探しがちだけど、そういう砥石は基本的に存在しない。無理に万能を狙うより、今回やりたい素材と作業に合った砥石を1枚選ぶ。その方が結果的に失敗が少なく、作業もスムーズに進むと思う。
次の章では、ここまでの話を踏まえたうえで、「サイズ」と「穴径」という、間違えると物理的に使えなくなるポイントを整理していく。
ここを間違えると使えない|砥石のサイズと穴径の話
砥石選びで意外と多い失敗が、「用途は合っているのに、サイズが合っていない」というケースだ。切断用か研削用か、金属用かコンクリート用か。そこまで考えて選んだのに、家に帰って取り付けようとしたら付かない。これは本当にあるあるだと思う。
ここで押さえておきたいのが、砥石には「サイズ」と「穴径」という、絶対に間違えてはいけないポイントがあるということ。この2つを理解しておけば、「買ったのに使えない」という失敗はほぼ防げる。
ディスクグラインダー砥石のサイズは、本体で決まる
まず砥石の「サイズ」について。
ディスクグラインダーで一般的なのは、100mm と 125mm の2種類だ。
ここで大事なのは、「使いたい砥石のサイズ」ではなく、持っているディスクグラインダー本体が何mm対応かで決まるという点だ。100mm用の本体に125mmの砥石は取り付けられないし、その逆も同じ。これは安全面の理由もあって、無理やり使えるようなものではない。
初心者の場合、日本では100mmタイプを使っていることが多いと思う。ホームセンターの工具売り場でも、100mm対応の砥石が一番多く並んでいる。ただし、「たぶん100mmだろう」と思い込まずに、本体の表示や取扱説明書で確認するのが確実だ。
穴径(内径)は見落としがちだけど超重要
次に重要なのが、砥石の**穴径(内径)**だ。
これは砥石の中心に開いている穴の大きさのこと。ここが合っていないと、そもそもシャフトに通らない。
日本で一般的なディスクグラインダーの場合、穴径は15mmが主流だと思う。ただし、すべてが同じとは限らない。海外製品や特殊な砥石では、違う穴径のものもある。
初心者がやりがちなのは、「サイズ(100mm)」だけ見て安心してしまい、穴径まで確認していないパターン。見た目は同じでも、穴径が違うと装着できない。これは家に持ち帰ってから気づくと、地味にショックが大きい。
変換リングが付属している場合もある
砥石によっては、穴径を調整するための変換リングが付属しているものもある。これがあれば、ある程度の穴径違いを吸収できる場合もある。
ただし、初心者のうちは「変換できるから大丈夫」と過信しない方がいいと思う。まずは本体に合ったサイズ・穴径の砥石をそのまま使える状態で選ぶのが、一番失敗が少ない。
パッケージのどこを見ればいい?
ホームセンターで砥石を選ぶとき、見るべきポイントは決まっている。
用途や素材表記の近くに、必ず対応サイズ(100mm/125mm)と穴径が書かれているはずだ。
焦っていると見落としがちだけれど、ここだけは必ず一度立ち止まって確認する。
「本体のサイズに合っているか」「穴径は合っているか」。この2つをチェックするだけで、無駄な買い物はかなり減る。
サイズと穴径は、最初に確認するクセをつける
砥石選びというと、どうしても「用途」「種類」に目が行きがちだけれど、サイズと穴径はそれ以前の話だ。ここを間違えると、どんなに良い砥石でも使えない。
だから順番としては、
本体サイズ → 穴径 → 作業内容 → 素材
この流れで確認するのが、一番失敗しにくいと思う。
次の章では、ここまでの内容を踏まえたうえで、「じゃあ初心者は最初に何を買えばいいのか」を、もう一段具体的に整理していこう。
初心者が最初に買うなら、この考え方でOK
ここまで読んで、「砥石ってやっぱり種類が多いな……」と感じている人もいると思う。でも安心してほしい。初心者が最初に選ぶ砥石に、完璧さは必要ない。むしろ、最初から正解を引こうとしすぎないことが、失敗を防ぐコツだと思う。
100点満点を狙わなくていい
砥石売り場に立つと、「せっかくだから一番良さそうなものを」「これ1枚で何でもできるやつを」と考えがちになる。でも、ディスクグラインダーの砥石に“万能”は基本的に存在しない。
最初に目指すのは100点ではなく、致命的に間違えないこと。
作業がちゃんとできて、安全に使えて、「あ、なるほどこういう感じか」と体感できれば、それで十分だと思う。
やりたい作業をひとつだけ決める
初心者が砥石選びで迷子になる原因のひとつが、「あれもこれもやりたい」と考えてしまうことだ。切断もしたいし、サビも落としたいし、仕上げも気になる。気持ちはよくわかる。
でも最初は、やりたい作業をひとつだけ決めるのが正解だと思う。
たとえば、
- ボルトを切りたい
- 金属のサビを落としたい
- 角を少し削りたい
この中からひとつに絞る。それだけで、砥石の候補は一気に減る。
「切断」か「削る」か、どちらかで十分
多くの初心者の場合、最初に選ぶのはこのどちらかだと思う。
- 金属を切りたい → 切断用砥石
- サビ落としやバリ取り → 研削用砥石
ここで両方を一気に揃えなくてもいい。まずはどちらか1枚を使ってみる。実際に作業してみると、「次はこっちも必要だな」という判断が自然にできるようになる。
最初の1枚は“消耗品”として考える
砥石は消耗品だ。使えば減るし、いずれ交換する。
だから最初の1枚を、「一生モノ」みたいに考えなくていいと思う。
むしろ、
使って減らして、感覚をつかむための1枚
このくらいの位置づけがちょうどいい。
実際に使ってみないと、「削れるスピード」「音」「減り方」はわからない。その経験があって初めて、次に選ぶ砥石の基準ができる。
迷ったら「一般的なやつ」を選ぶ
どうしても迷ったときは、尖った性能よりも、一般的でよく売れていそうな砥石を選ぶのが無難だと思う。ホームセンターで定番として並んでいるものは、多くの人が使っていて、大きな失敗が出にくい。
高価なものや特殊な用途の砥石は、必要になってからで十分だ。
最初の成功体験を作ることがいちばん大事
砥石選びでいちばん避けたいのは、「よくわからないまま買って、使えなくて、ディスクグラインダー自体が嫌になること」だと思う。だから最初は、難しい判断を増やさない。
- 作業をひとつ決める
- 役割をひとつ選ぶ
- サイズと穴径を確認する
この流れで選べば、最初の1枚はちゃんと仕事をしてくれるはずだ。その成功体験があれば、次に砥石を選ぶときは、もう今回ほど迷わないと思う。
ホームセンターで迷わないための実践ガイド
ここまで読み進めてきたなら、砥石選びの考え方自体は、もうかなり整理できていると思う。ただ実際にホームセンターへ行くと、情報量の多さに気圧されて、頭が真っ白になることもある。だからこの章では、「売り場でどう動けばいいか」をできるだけ具体的に整理しておく。
売り場に立ったら、まず確認する順番
ホームセンターで砥石を選ぶときは、最初から全部を見ようとしなくていい。
見る順番を決めてしまうと、迷いにくくなる。
まず最初に見るのは、本体対応サイズだ。
100mmか125mmか。ここが合っていなければ、その時点で候補から外していい。
次に穴径を見る。
本体に合うかどうか。ここも合わなければ即除外。
この2点を確認すると、棚に並んだ砥石の中で、自然と選択肢はかなり減る。ここまで来て、ようやく「用途」を見るくらいでちょうどいい。
パッケージで注目するポイント
砥石のパッケージには、初心者にとって重要な情報がちゃんと書いてある。
全部を読む必要はないけれど、最低限見るべきところは決まっている。
まずは用途表記。
「切断用」「研削用」「研磨用」といった言葉が書かれているはずだ。自分がやりたい作業と合っているか、ここで確認する。
次に対応素材。
「鉄・金属用」「コンクリート用」など、対象素材が明記されていることが多い。ここが違っていたら、目的の作業には向いていない。
最後に、サイズと穴径。
これはすでに見ているはずだけど、最終確認としてもう一度目に入れておくと安心だ。
逆に言えば、最初は細かい性能説明や専門用語は、無理に理解しなくてもいい。まずは「使えるかどうか」を判断できれば十分だと思う。
迷ったときは、その場で立ち止まっていい
ホームセンターで迷うこと自体は、まったく悪いことじゃない。
砥石は種類が多くて当たり前だし、初心者ならなおさらだ。
中途半端に「これでいいか」と決めてしまうより、少し立ち止まって確認した方が結果的に失敗は少ない。サイズ、穴径、用途。この3点を頭の中で順番にチェックするだけで、かなり冷静になれる。
店員にこう聞けば伝わる
どうしても判断がつかないときは、店員に聞くのが一番早い。
そのときに大事なのは、砥石の名前を言おうとしないことだ。
たとえば、
「ディスクグラインダーで、金属のボルトを切りたいんですが、100mm用で使える砥石を探しています」
「サビを落としたいんですけど、削る用の砥石はどれになりますか?」
このくらいで十分通じる。
やりたい作業、本体サイズ、素材。この3つを伝えられれば、会話はスムーズに進む。
その場で決めきれなくても問題ない
もし売り場でどうしても不安が消えなかったら、その日は買わずに帰るのも選択肢だと思う。ディスクグラインダーの砥石は消耗品だけど、焦って買うものでもない。
この記事をもう一度読み返して、次に来たときに選べばいい。
「よくわからないまま買って後悔する」より、その方がずっと健全だと思う。
よくある失敗と、その回避法
ディスクグラインダーの砥石選びは、慣れていないと失敗しやすい。と言っても、特殊なミスをする人が多いわけではなく、だいたい同じところでつまずく。ここでは、初心者にありがちな失敗と、その回避の考え方を整理しておこう。
なんとなくで選んでしまう
売り場に並ぶ砥石を見ていると、「これでいけそう」「たぶん大丈夫だろう」と感覚で選んでしまうことがある。サイズも合っていそうだし、金属用とも書いてある。それだけで安心してしまうケースだ。
この失敗を避けるには、選ぶ前に作業を言葉にすることが一番効果的だと思う。
「今日はボルトを切りたいのか」「サビを落としたいのか」。この一文が頭にあるだけで、選ぶ砥石はかなり絞られる。
万能な砥石を探してしまう
初心者ほど、「これ1枚で全部できる砥石」を探しがちだ。切断もできて、削れて、仕上げもできる。そんな理想を思い描いてしまうのは自然だと思う。
でも、実際には用途ごとに砥石は分かれている。無理に万能を狙うより、今回の作業に合った1枚を選ぶ方が、結果的にうまくいく。必要になったら、そのときに次を買い足せばいい。
安さだけで選んでしまう
価格は気になるポイントだけど、安さだけで決めてしまうと、「切れが悪い」「思ったより削れない」と感じることがある。必ずしも高価な砥石が正解というわけではないけれど、用途に合っていないものを安さで選ぶと、使いにくさにつながりやすい。
回避法としては、まず用途とサイズを優先すること。価格はその次でいい。条件が合っていれば、極端に失敗することは少ないと思う。
サイズや穴径を後回しにしてしまう
用途ばかりに気を取られて、サイズや穴径を後から確認する。この順番も、失敗につながりやすい。家に帰ってから「付かない」と気づくと、かなりがっかりする。
これはもう習慣の問題で、最初にサイズと穴径を確認すると決めてしまうのが一番だ。本体→サイズ→穴径。この順番を体に覚えさせると、失敗はほぼなくなる。
使い回そうとしてしまう
「前に買った砥石があるから、今回もそれでいいだろう」。こう考えてしまうこともある。でも素材や作業内容が違うと、砥石は思ったように働いてくれない。
砥石は消耗品であり、用途別の道具でもある。使い回しにこだわらず、作業に合ったものを使うと割り切った方が、結果的に安全で効率もいい。
失敗は誰でも通る道
ここまで挙げた失敗は、どれも特別なものではない。多くの人が一度は通る道だと思う。大事なのは、同じ失敗を繰り返さないこと。
この記事で紹介した考え方を頭に入れておけば、砥石選びで大きく外すことは少なくなる。最初の1枚をちゃんと選べれば、それだけで次からは一段ラクになる。
まとめ:砥石選びは「失敗しない1枚」からでいい
ディスクグラインダーの砥石選びは、最初に触れる人ほど難しく感じると思う。種類が多く、見た目も似ていて、用途も細かく分かれている。迷うのは当たり前だ。
でもここまで読んできたなら、もう以前のように砥石売り場で完全に立ち尽くすことはないはずだ。切断なのか、削るのか、仕上げなのか。素材は何なのか。サイズと穴径は合っているか。この順番で整理できれば、判断に迷う場面は確実に減る。
最初の1枚に求めるべきなのは、完璧さではない。
「とりあえず使えて、ちゃんと作業ができて、危なげなく終えられる」。それだけで十分だと思う。砥石は消耗品だし、使ってみて初めてわかることも多い。最初の1枚は、経験を積むためのスタート地点だ。
一度でも「これが切断用か」「削るってこういう感覚か」と体感できれば、次に砥石を選ぶときは驚くほどラクになる。売り場の見え方も変わるし、店員との会話もスムーズになる。
ディスクグラインダーは、正しく使えばとても便利な工具だ。そして砥石選びは、その第一歩になる。焦らず、欲張らず、まずは失敗しない1枚を選ぶこと。それが、ディスクグラインダーを長く、安心して使うための一番の近道だと思う。



