Eリングを外したいけれど、専用のEリングプライヤーを持っていない。そんなとき、手元にあるマイナスドライバーで代用できないかと考える人は多いでしょう。
実際、Eリングはマイナスドライバーを使って外せる場合があります。取り付け位置が見やすく、ドライバーを差し込めるすき間があれば、専用工具を使わなくても取り外せることがあります。Eリングを1個だけ外すために、わざわざ工具を買うべきか迷っている人にとっては、まず試したくなる方法です。
ただし、マイナスドライバーで外す方法には、Eリングが勢いよく飛んで紛失したり、軸や周囲の部品を傷つけたりする危険もあります。特に小さなEリングや奥まった場所に取り付けられたEリングは、無理にこじると変形して再利用できなくなることもあるでしょう。
この記事では、Eリングプライヤーが本当に必要なのか、マイナスドライバーで代用できる条件や外し方、作業時の注意点を解説します。1回だけの作業なら代用品で済ませるべきか、それとも専用工具を用意した方がよいのか、作業状況に合わせて判断できるように紹介します。
Eリングプライヤーは絶対に必要ではない
Eリングを外すために、必ず専用のEリングプライヤーを用意しなければならないわけではありません。Eリングの大きさや取り付けられている場所によっては、手元にある細いマイナスドライバーでも取り外せます。ただし、どのようなEリングでも簡単に外せるわけではなく、作業しやすい条件がそろっていることが前提です。
マイナスドライバーでも外せる場合がある
軸の先端に取り付けられていてEリング全体が見えている場合や、周囲に工具を動かせるスペースがある場合は、マイナスドライバーでも外せる可能性があります。Eリングのすき間や開口部付近に細い先端を差し込み、軸の外側へ押し出すように力を加える方法です。
ただし、マイナスドライバーは本来ネジを回すための工具であり、Eリングを外すために作られたものではありません。差し込む角度が悪いと先端が滑り、手や周囲の部品を傷つけることがあります。外せるかどうかだけでなく、安全に工具を差し込めるかも確認する必要があります。
1個だけ外すなら専用工具なしでも対応しやすい
Eリングを1個だけ外したい場合や、今後ほとんどEリングを扱う予定がない場合は、専用工具を購入せずにマイナスドライバーで対応したいと考える人も多いでしょう。見える場所に取り付けられた比較的大きなEリングであれば、わざわざ工具を買わなくても外せることがあります。
たとえば、簡単な機械の修理やラジコンの部品交換などで、外すEリングが1個だけなら、まず手持ちの細いマイナスドライバーで作業できるか確認する方法もあります。ただし、力を入れても動かない場合は、無理にこじり続けるべきではありません。Eリングが曲がったり、軸に傷が付いたりする前に作業方法を変える必要があります。
繰り返し作業するならEリングプライヤーが便利
複数のEリングを外す場合や、今後もバイク、車、ラジコン、機械などの整備で使う予定があるなら、Eリングプライヤーを用意する価値があります。専用工具はEリングに先端を掛けやすく、マイナスドライバーでこじるよりも安定して力を加えられます。
また、小さなEリングや奥まった場所にあるEリングは、マイナスドライバーでは先端を差し込めないことがあります。部品を傷つけたくない場合や、外したEリングを再利用したい場合も、変形させにくい専用工具の方が向いています。
Eリングプライヤーは絶対に必要な工具ではありませんが、マイナスドライバーだけで無理に外そうとすると、かえって時間がかかることもあります。外す個数や作業場所を見て、代用できる作業なのかを判断することが大切です。
Eリングプライヤーを使った具体的な取り外し方や取り付け方は、以下の記事で詳しく紹介しています。

Eリングプライヤーとはどのような工具?
Eリングプライヤーは、軸にはめ込まれたEリングを取り外したり、取り付けたりするための専用工具です。見た目は一般的なペンチやプライヤーに似ていますが、先端部分がEリングに力を伝えやすい形になっており、マイナスドライバーでこじるよりも安定して作業できます。
Eリングは小さな部品ですが、軸の溝にしっかりとはまっているため、指だけで外すのは困難です。無理に外そうとすると、Eリングが曲がったり、勢いよく飛んだりすることがあります。専用工具を使えば、Eリングの形状に合わせて力を加えやすくなります。
Eリングの形状や固定の仕組み、C型止め輪やスナップリングとの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

Eリングのすき間に先端を差し込んで外す工具
Eリングプライヤーは、Eリングと軸の間や、Eリングに設けられたすき間へ先端を差し込み、軸の外側へ押し出すようにして使用します。製品によって先端の形状は異なりますが、細く薄い先端になっているものが多く、狭い部分にも入りやすいのが特徴です。
マイナスドライバーの場合は、先端を差し込んだあとに手首をひねったり、てこのようにこじったりして外すことがあります。これに対してEリングプライヤーは、握る力を使ってEリングを押し出せるため、工具の先端が滑りにくく、力を加える方向も安定します。
ただし、Eリングのサイズに対して先端が太すぎると、すき間に入らないことがあります。Eリングプライヤーであれば何でも使えるわけではなく、扱うEリングの大きさに合った工具を選ぶ必要があります。
小さなEリングを扱う場合は、対応する呼びサイズを確認して選びましょう。ENGINEERのPZ-01は、呼びサイズ3~4のEリングに対応した専用プライヤーです。先端が着磁されているため、取り外したEリングを保持しやすく、飛散や紛失を抑えたい作業にも向いています。
呼びサイズ5~9のEリングには、ひと回り大きいPZ-02が対応します。バイクや自動車、機械の整備などで比較的大きなEリングを扱う場合は、こちらのサイズが候補になります。
PZ-01とPZ-02では対応サイズが異なるため、使用するEリングの呼びサイズを確認してから選んでください。
一般的なプライヤーやペンチとの違い
一般的なプライヤーやペンチは、部品をつかむ、曲げる、引っ張るといった作業に使う工具です。先端には物を挟むための幅や厚みがあるため、小さなEリングと軸の間へ差し込む用途には向いていません。
ラジオペンチでEリングをつかんで引っ張ろうとしても、滑ってうまく力が伝わらないことがあります。強く挟むとEリングが変形したり、先端が外れた反動で部品を傷つけたりすることも考えられます。
Eリングプライヤーは、つかんで引き抜くというより、先端をEリングへ当てて押し出す作業をしやすくした工具です。見た目が似ていても、一般的なペンチとは力の掛け方や先端の形状が異なります。
また、Eリングプライヤーとスナップリングプライヤーも同じ工具ではありません。軸用・穴用の違いや先端形状については、以下の記事で詳しく紹介しています。

取り外しだけでなく取り付けにも使える
Eリングプライヤーは、取り外しだけでなく取り付けにも使える製品があります。Eリングを軸の溝へ戻すときは、片側だけを押すと斜めに入り、途中で引っ掛かることがあります。無理に押し込めば、Eリングが曲がったり、軸の表面を傷つけたりする原因になります。
専用工具を使えば、Eリングに対して安定した方向から力を加えやすくなり、溝へまっすぐ押し込みやすくなります。取り外したEリングを再利用する場合や、分解と組み立てを何度も行う作業では、取り付けまで考えて工具を選ぶと使いやすいでしょう。
ただし、すべてのEリングプライヤーが取り外しと取り付けの両方に対応しているとは限りません。購入するときは、対応するEリングのサイズだけでなく、取り付けにも使える製品なのかを確認しておく必要があります。
マイナスドライバーで代用できるEリングの条件
Eリングは、取り付けられている場所や周囲の形状によって外しやすさが大きく変わります。手元にマイナスドライバーがあっても、先端を差し込める場所がなければ力を掛けられません。また、Eリングが部品の奥にある場合や、汚れやサビで動かなくなっている場合は、マイナスドライバーだけで外すのが難しくなります。
代用できるかどうかは、Eリングの大きさだけでなく、工具を当てる角度や作業スペースまで含めて判断する必要があります。無理に作業を始める前に、次の条件を確認しておきましょう。
ドライバーを差し込めるすき間がある
マイナスドライバーでEリングを外すには、先端を差し込めるすき間が必要です。Eリングの開口部付近や、Eリングと軸の間にドライバーの先端が入れば、外側へ押し出すように力を掛けられます。
ただし、先端が厚すぎるドライバーでは、すき間に入りません。無理に押し込むと、Eリングが変形したり、軸や周囲の部品に傷が付いたりします。小さなEリングには、精密ドライバーなどの細いマイナスドライバーが使いやすい場合があります。
先端が少し入るだけで大きな力を加えるのも危険です。しっかり掛かっていない状態でこじると、ドライバーが滑って手を傷つけることがあります。先端を安定して当てられない場合は、代用に向いていないと判断した方がよいでしょう。
Eリングの周囲に作業スペースがある
Eリングが見えていても、周囲にドライバーを動かす余裕がなければ外せないことがあります。マイナスドライバーで外すときは、先端を差し込むだけでなく、少し押したり、角度を変えたりするためのスペースが必要です。
軸の先端に付いていて、正面や横から工具を当てられるEリングは比較的作業しやすいでしょう。一方、部品同士のすき間に付いているものや、ケースの奥に取り付けられているものは、ドライバーの柄が周囲に当たってしまいます。
作業スペースが狭い状態で無理にこじると、Eリングではなく近くの樹脂部品や配線に力が掛かることもあります。ドライバーを安全な角度で当てられない場所では、先端形状の合ったEリングプライヤーを使う方が現実的です。
強く固着していない
長期間外していないEリングは、サビや汚れ、古いグリスなどによって動きにくくなっている場合があります。通常であれば軽く押し出せるEリングでも、固着しているとマイナスドライバーでは簡単に外れません。
少し力を加えても動かない場合は、さらに強くこじるのではなく、Eリング周辺の状態を確認します。汚れが詰まっているならブラシなどで落とし、サビがある場合は浸透潤滑剤を使って時間を置く方法もあります。ただし、樹脂やゴム部品が近くにある場合は、使用できる潤滑剤か確認が必要です。
固着したEリングへ無理に力を掛けると、リングが折れたり、軸の溝を傷めたりすることがあります。マイナスドライバーで軽く押しても動かないものは、専用工具へ切り替える目安です。
マイナスドライバーを使ったEリングの外し方
マイナスドライバーでEリングを外すときは、力任せにこじるのではなく、先端を掛ける位置と力を加える方向が重要です。Eリングは軸の溝にはまっているため、真上へ持ち上げるよりも、軸の外側へ押し出すように動かした方が外れやすくなります。
作業を始める前に、Eリングの向きや周囲のスペースを確認してください。部品が動く状態では工具が滑りやすいため、必要に応じて作業対象を固定します。また、外れたEリングが飛んでいく可能性があるので、周囲を片付けてから作業しましょう。
Eリングの開口部付近にドライバーを差し込む
まず、Eリングの開口部がどこにあるかを確認します。EリングはアルファベットのEに似た形をしており、軸を挟み込むようにはまっています。開口部付近には、マイナスドライバーの先端を掛けやすい部分があります。
使用するドライバーは、Eリングの大きさに合ったものを選びます。先端が厚すぎるとすき間に入らず、細すぎると力を掛けたときに滑りやすくなります。小さなEリングでは精密マイナスドライバーが使える場合もありますが、先端が極端に細いものは曲がることがあるため注意が必要です。
マイナスドライバーにも先端幅や厚みの違いがあります。手持ちのドライバーのサイズが分からない場合は、以下の記事も参考にしてください。

手持ちのマイナスドライバーでは先端が太すぎる場合、精密ドライバーセットが使えることがあります。複数の太さが入ったセットなら、Eリングのすき間に合うものを選びやすくなります。ただし、精密ドライバーもEリング専用工具ではないため、強い力を掛けないよう注意してください。
ドライバーの先端を開口部付近へ差し込むときは、いきなり深く押し込まず、先端がEリングへ確実に掛かっているか確認します。周囲の部品にドライバーを押し付けた状態で作業すると、傷や割れの原因になります。
軸を傷つけないよう少しずつ押し出す
ドライバーの先端が掛かったら、Eリングを軸の外側へ動かすように力を加えます。このとき、ドライバーを大きくひねるのではなく、少しずつ位置をずらしながら押し出すのがポイントです。
一度で外そうとして強い力を掛けると、ドライバーが滑ったり、Eリングが変形したりします。片側が少し浮いたら、そのすき間へドライバーを差し直し、さらに外側へ動かします。左右から少しずつ押し出せる場合は、片側だけに負担を掛けずに済みます。
軸の表面を支点にして強くこじる方法は、軸に傷を付ける可能性があります。特に、回転する軸やベアリングの近くでは、小さな傷でも動作に影響することがあります。ドライバーを当てる位置に薄い布や養生テープを挟める場合は、傷防止として使う方法もあります。
布や袋で覆って飛び出しを防ぐ
Eリングは、溝から外れた瞬間に勢いよく飛び出すことがあります。小さなEリングは床へ落ちると見つけにくく、屋外やガレージではそのまま紛失する可能性もあります。
飛び出しを防ぐには、Eリングと工具の上から透明な袋や布をかぶせて作業する方法があります。透明な袋であれば、内部を確認しながらドライバーを動かせます。布を使う場合は、工具の先端やEリングの位置が見えなくならないよう注意してください。
空いている手でEリングを押さえながら外そうとすると、ドライバーが滑ったときに指を傷つける危険があります。指で直接押さえるのではなく、袋や布で飛び出す範囲を囲う方が安全です。
Eリングが少しも動かない場合や、ドライバーの先端が何度も滑る場合は、そのまま続けないでください。工具のサイズや差し込む位置を見直し、それでも難しければEリングプライヤーへ切り替えます。
マイナスドライバーで代用するときの注意点
マイナスドライバーを使えばEリングを外せる場合がありますが、専用工具と比べると失敗しやすい方法でもあります。先端が滑る、Eリングが飛ぶ、周囲の部品を傷つけるといったトラブルが起こりやすいため、外れればよいと考えて力任せに作業するのは危険です。
特に、小さなEリングほど力を掛ける位置が狭く、外れた瞬間の動きも予測しにくくなります。作業前に起こり得る問題を知っておけば、紛失や部品の破損を防ぎやすくなります。
Eリングが勢いよく飛んで紛失することがある
Eリングは軸の溝から外れた瞬間、バネのように勢いよく飛び出すことがあります。数ミリ程度の小さなEリングでは、床に落ちた音すら聞こえず、そのまま見つからなくなることも珍しくありません。
ガレージや屋外で作業している場合は、砂利、土、工具箱のすき間などへ入り込む可能性があります。室内でも、家具の下や作業台の裏へ飛ぶと探すだけで時間がかかります。
作業場所の周囲を片付け、Eリングの上から透明な袋をかぶせたり、白い布を敷いたりすると、飛んだときに見つけやすくなります。外したEリングを再利用する予定があるなら、紛失対策は先に済ませておくべきです。
軸や周囲の部品に傷を付ける可能性がある
マイナスドライバーでEリングをこじると、先端が軸や周囲の部品へ直接当たることがあります。金属製の軸であっても、強く押し付ければ表面に傷が付きます。樹脂製の部品なら、へこみや割れにつながることもあるでしょう。
特に注意したいのが、回転する軸やベアリング付近に付いているEリングです。軸の表面に傷やバリができると、部品の脱着がしにくくなったり、動きに影響したりする可能性があります。
ドライバーの先端を軸へ強く押し付けて支点にするのではなく、Eリングそのものを外側へ押すように力を掛けます。養生できる場所であれば、薄い布やテープを挟む方法もありますが、工具が滑りやすくならないよう注意が必要です。
Eリングが変形して再利用できなくなることがある
Eリングの片側だけを強く持ち上げたり、何度もこじったりすると、リングが開いたまま戻らなくなることがあります。見た目では大きな変形がなくても、軸の溝へ戻したときに保持力が弱くなっている可能性があります。
Eリングは、軸から部品が抜けないように固定する役割を持つ部品です。変形したものをそのまま再利用すると、使用中に外れるおそれがあります。取り外したあとに開口部が広がっている、平らな場所へ置くと浮いている、ひびや欠けがあるといった場合は、新しいEリングへ交換した方がよいでしょう。
予備のEリングが手に入る作業であれば、最初から再利用を前提にしない方が気楽に作業できます。
一般的なサイズのEリングを扱うことが多いなら、複数サイズが入ったセットを予備として用意しておく方法もあります。外したEリングを紛失したり、変形させたりしても、サイズが合えば新品へ交換できます。ただし、重要な部品に使用するときは、元のEリングとサイズや材質が合っているか必ず確認してください。
一方、特殊なサイズや入手しにくいEリングを外す場合は、マイナスドライバーで無理にこじるより、専用工具を使う判断が必要です。
Eリングプライヤーが必要になる場面
マイナスドライバーで外せるEリングもありますが、作業条件によっては専用のEリングプライヤーを使った方がよい場合があります。特に、Eリングが小さい、取り付け場所が狭い、何度も脱着するといった状況では、手持ちの工具で無理に対応するより、専用工具を使う方が作業しやすくなります。
Eリングプライヤーを買うべきか迷ったときは、外す個数だけでなく、部品を傷つけた場合の影響や、Eリングを再利用する必要があるかも考えて判断しましょう。
小さなEリングを外すとき
小さなEリングは、マイナスドライバーの先端を掛けられる部分も小さくなります。精密ドライバーを使えば差し込める場合がありますが、先端が細いほど滑りやすく、力を掛けたときに曲がったり欠けたりする可能性もあります。
また、小さなEリングは外れた瞬間に飛んでも見失いやすく、変形しているかどうかも目視では判断しにくいものです。何度もドライバーを差し直しているうちに、Eリングの開口部が広がることもあります。
Eリングプライヤーであれば、対象となるサイズに合った先端を使うことで、マイナスドライバーよりも安定して力を加えられます。ラジコンや小型機械、電子機器などに使われている小さなEリングでは、専用工具の使いやすさを感じやすいでしょう。
とくに2mm・3mm程度の小さなEリングは、外れた瞬間に飛びやすく、マイナスドライバーの先端も掛けにくくなります。小さいEリングに絞った外し方は、以下の記事で詳しく解説しています。

奥まった場所や狭い場所で作業するとき
Eリングが部品の奥に取り付けられている場合は、正面から見えていてもマイナスドライバーを適切な角度で差し込めないことがあります。ドライバーの柄がケースや周囲の部品に当たり、先端を動かす余裕がなくなるためです。
無理な角度でドライバーを差し込むと、Eリングへ力が伝わらず、先端だけが滑ることがあります。近くに樹脂部品、配線、ゴム製のシールなどがある場合は、外れた反動で傷つけるおそれもあります。
先端が細く、Eリングを押し出しやすい形状のプライヤーであれば、ドライバーをひねるスペースがない場所でも作業できる場合があります。ただし、Eリングプライヤーにも先端の太さや角度の違いがあるため、狭い場所では工具そのものが入るか確認が必要です。
複数のEリングを繰り返し外すとき
Eリングを1個だけ外すなら、マイナスドライバーで代用する方法も現実的です。しかし、複数のEリングを外す作業や、整備のたびに脱着する場合は、専用工具を用意した方が作業時間を短縮できます。
毎回マイナスドライバーの先端を掛ける位置を探し、滑らないように少しずつこじる作業は、数が増えるほど手間になります。外したEリングを再び取り付ける必要がある場合は、変形させないことも重要です。
バイクや自動車の整備、ラジコンのメンテナンス、機械の分解などを今後も行うなら、Eリングプライヤーを持っていても無駄にはなりにくいでしょう。高価な工具を選ばなくても、よく使うEリングのサイズに合ったものが1本あれば、マイナスドライバーで苦労していた作業が楽になることがあります。
Eリングプライヤーとマイナスドライバーはどちらを選ぶ?
Eリングプライヤーとマイナスドライバーのどちらを使うべきかは、Eリングの大きさや取り付け場所、外す個数、部品を傷つけた場合の影響によって変わります。マイナスドライバーで外せる可能性があるからといって、すべての作業で代用した方がよいわけではありません。
判断に迷ったときは、専用工具の価格だけを見るのではなく、作業にかかる時間やEリングを紛失した場合の手間、周囲の部品を傷つけるリスクまで含めて考える必要があります。
1個だけ外すならマイナスドライバーでも対応できる
見える場所に取り付けられたEリングを1個だけ外したい場合は、細いマイナスドライバーで対応できる可能性があります。Eリングの開口部へ先端を掛けられ、工具を動かすスペースが十分にあるなら、専用工具を購入しなくても作業できることがあります。
たとえば、壊れた部品を取り外すために一度だけEリングを外す場合や、取り外したEリングを再利用しない場合は、マイナスドライバーを試す方法も現実的です。外す対象が大きく、多少傷が付いても問題にならない場所であれば、専用工具の必要性はそれほど高くありません。
ただし、少し力を掛けても動かない場合や、ドライバーの先端が安定しない場合は、無理に続けない方がよいでしょう。何度も滑らせているうちに、Eリングだけでなく周囲の部品まで傷めることがあります。
部品を傷つけたくないならEリングプライヤーを選ぶ
軸や周囲の部品に傷を付けたくない場合は、Eリングプライヤーを使う方が向いています。マイナスドライバーは軸や部品を支点にしてこじる形になりやすく、力を掛ける位置がずれると傷やへこみが残ることがあります。
特に、回転軸、ベアリング周辺、樹脂部品、塗装された部品に取り付けられたEリングは注意が必要です。小さな傷でも部品の動きに影響したり、見た目を損ねたりする場合があります。
修理費や部品代が工具代を上回りそうな場所では、手持ちの工具だけで済ませようとしない方がよいでしょう。Eリングを外すことよりも、外したあとに部品を正常な状態で使えることの方が重要です。
小さいEリングや狭い場所では専用工具が使いやすい
小さなEリングは、マイナスドライバーを差し込める部分も小さくなります。精密ドライバーを使っても先端が滑りやすく、外れた瞬間に飛んで紛失する可能性があります。
また、奥まった場所では、ドライバーの柄が周囲へ当たり、適切な角度で力を掛けられないことがあります。無理な姿勢で作業すると、工具が外れたときに手を傷つける危険もあります。
対象サイズに合ったEリングプライヤーであれば、先端を掛ける位置が安定しやすく、狭い場所でも力を加えやすくなります。マイナスドライバーを何本も試して時間を掛けるより、専用工具を使った方が早く外せる場面は少なくありません。
Eリングを再利用するなら変形させにくい方法を選ぶ
外したEリングを再び取り付ける予定がある場合は、できるだけ変形させずに外す必要があります。マイナスドライバーで片側だけを強くこじると、Eリングの開口部が広がったり、平らだったリングが反ったりすることがあります。
変形したEリングをそのまま再利用すると、軸の溝へしっかりはまらず、使用中に外れる可能性があります。外れた場合に部品が脱落する場所では、新品へ交換するか、最初から専用工具を使った方がよいでしょう。
交換用のEリングがすぐ手に入る場合は、取り外したものを無理に再利用する必要はありません。しかし、特殊なサイズや入手しにくい部品では、Eリングそのものを傷めないことが優先されます。
工具代より破損のリスクが大きいなら無理に代用しない
Eリングプライヤーを購入するか迷う理由の多くは、使用頻度の少ない工具にお金を掛けたくないからでしょう。しかし、マイナスドライバーで無理に外して軸や樹脂部品を破損すれば、専用工具より高い部品代が必要になることがあります。
数百円から数千円程度の工具代を惜しんだ結果、部品の交換や再注文で作業が止まるのであれば、代用するメリットは小さくなります。反対に、壊しても交換できる部品からEリングを1個外すだけなら、手持ちの工具を試す意味はあります。
マイナスドライバーで安全に外せる条件がそろっているなら代用し、工具が掛からない、部品が高価、Eリングを再利用したいといった場合はEリングプライヤーを選ぶ。この線引きをしておけば、専用工具を買うべきか判断しやすくなります。
今後もバイクやラジコン、機械の分解などでEリングを扱うなら、小さいサイズ用と大きいサイズ用をまとめて用意する方法もあります。対応サイズの異なる2本があれば、作業のたびに工具が合わないという失敗を減らせます。
まとめ|1回だけなら代用可能だが専用工具の方が確実
Eリングプライヤーは、Eリングを外すために絶対必要な工具ではありません。軸の先端など見やすい場所に取り付けられていて、周囲に十分な作業スペースがある場合は、細いマイナスドライバーでも外せることがあります。Eリングを1個だけ外したい場合や、外したリングを再利用しない場合は、手持ちの工具で試してみる方法も現実的です。
ただし、マイナスドライバーはEリングを外すための専用工具ではありません。先端が滑って手を傷つけたり、軸や周囲の部品に傷を付けたりする可能性があります。外れた瞬間にEリングが飛び、紛失することもあるため、透明な袋で覆うなどの対策も必要です。
小さなEリング、奥まった場所にあるEリング、サビや汚れで固着しているEリングは、マイナスドライバーでは外しにくくなります。また、外したEリングを再利用したい場合や、周囲の部品を傷つけたくない場合も、Eリングプライヤーを使った方が失敗を減らせます。
マイナスドライバーを差し込んでもEリングが動かない、何度も先端が滑る、強くこじらなければ外れそうにない。このような状態なら、それ以上続けず専用工具へ切り替えた方がよいでしょう。工具代を節約できても、軸や部品を壊してしまえば、結果的に修理費や交換部品代の方が高くなります。
1回だけの簡単な作業ならマイナスドライバー、繰り返し作業する場合や失敗したくない場所ではEリングプライヤーというように、作業条件に合わせて選ぶのが妥当です。





