DIYで木材を多めに買った、あるいは作業の途中で端材が出た。次のプロジェクトまで取っておきたいけれど、このまま置いておいて大丈夫なのか気になったことがある人は多いと思います。結論から言うと、置き方と場所さえ気をつければ普通に保管できます。ただ、何も考えずに部屋の隅や物置に立てかけているだけだと、反りやカビが出やすくなるのも事実です。
この記事では、木材を保管するときの置き方と、増えていく端材をどう整理するか、どこまで取っておくべきかまで順番に見ていきます。一度に全部きちんとやろうとすると大変なので、今ある木材の置き方だけ先に直す、というくらいの気持ちで読んでもらえればと思います。
木材を保管していると反る・カビるのはなぜか
片面だけ乾燥・吸湿すると反りが起きる
木材が反るのは、板の表と裏で水分の出入りに差が出るからです。片面だけが空気に触れやすい状態で置かれていると、その面だけ乾燥や吸湿が進み、伸び縮みの差で板全体がねじれるように反ってしまいます。壁際に立てかけたまま同じ向きで数か月放置すると、壁側の面は湿気がこもり、外側の面は空気に触れ続けるため、その差がじわじわ広がっていきます。買ったときはまっすぐだった板が、しまっておいただけなのに気づけば反っていた、というのは珍しい話ではありません。
この「表と裏で反り方が違う」という性質は、木材を製材したときの年輪の向きとも関係しています。木口の年輪を見て、弧が山のように盛り上がって見える側が木表、その反対側が木裏です。木表のほうが木裏より乾燥による収縮が大きく、変形しやすい面とされていて、このあとの章に出てくる「木表・木裏をどちらに向けて置くか」という話も、もとをたどればここに理由があります。反り方にも呼び分けがあって、板の幅方向にお椀のように曲がるものは「カップ」、長さ方向に弓なりに曲がるものは「ボウ」、対角線状にねじれるものは「ツイスト」と呼ばれることがあるようです。呼び名まで覚える必要はありませんが、反りにも種類があると知っておくと、自分の板がどう曲がっているのか見るときの手がかりにはなると思います。
木材の種類によっても反りやすさは変わります。一本の木からそのまま切り出す無垢材は、含水率の変化に合わせて繊維がそのまま伸び縮みするため、集成材や合板に比べて反りやすい傾向があります。集成材や合板は繊維の向きを交差させて重ねて貼り合わせているので、互いの伸び縮みを打ち消し合い、無垢材よりは反りにくくなっています。ただし集成材や合板がまったく反らないわけではなく、湿気の影響を受けないわけでもありません。DIYでよく使う1×4材やSPF材と呼ばれる材も無垢材の一種です。SPF材はスプルース・パイン・ファーという樹種をまとめた呼び方で、安定して供給されることから無垢材の中でも比較的安価で手に入りやすく、DIYの現場でもよく使われています。集成材や合板と同じ感覚で放置していると、思ったより反りが出やすいと感じることもあると思います。
湿度が高い環境だとカビ・腐敗につながる
反りとは別に、湿度が高い場所で保管し続けるとカビや腐敗の原因にもなります。木材は水分を含みやすい素材なので、風通しが悪く湿気がこもる場所に長く置いておくと、表面が黒っぽく変色したり、白っぽい斑点のようなカビが出たりすることがあります。使うつもりで取っておいた板がカビ臭くなっていた、となると気分もよくないので、ここは早めに置き方を見直しておきたいところです。
カビと腐敗は同じもののように扱われがちですが、木材への影響としては少し性質が違います。カビは木材の表面にとどまり、しみ出た成分を栄養にして繁殖するため、見た目は悪化しても木材そのものの強度への影響は比較的小さいとされています。一方、木材腐朽菌は木材の内部に入り込み、木材の主成分そのものを分解してしまうため、進行すると強度が落ちてしまいます。表面がカビで汚れているだけなのか、内部まで傷んでいるのかで対処の重さが変わってくるので、この違いは知っておいて損はないと思います。湿った状態が続くほど腐朽菌も活性化しやすくなるとされているので、具体的な数値にこだわるよりも「湿気がこもった状態を長く続けない」ことを基準にしておくほうが、実践としては扱いやすいはずです。腐朽の進み方も、短期間で急に強度が落ちるというより、湿った環境に置かれ続けることで時間をかけてじわじわ進行していく変化だと考えておくと、必要以上に神経質にならずに済むと思います。反りもカビ・腐敗も、原因になる環境がかなり近いので、次の章から見ていく置き方の対策もかなり重なってきます。
平置きで保管するときの置き方
桟木を挟んで積む(桟積み)
板を何枚も重ねて置くとき、そのまま隙間なく重ねてしまうと、下になった板ほど風が通らず、湿気がこもりやすくなります。ここは桟木を一本挟むだけでだいぶ変わってきます。木材と木材の間に細い角材を渡して、風の通り道を作るイメージです。これが桟積みと呼ばれる置き方で、板を重ねて保管するなら、私はこの形にすると思います。桟木そのものに「これが正解」というような厳密な規格があるわけではなく、風の通り道さえ確保できれば、使う桟は端材の角材を流用しても問題ありません。厚みが薄すぎると風の通り道が確保しにくくなりますし、逆に太すぎると積み重ねた高さがそのぶん無駄に増えてしまうので、極端に薄い端材や太すぎる角材は避けておくのが無難だと思います。同じ段の桟は、できるだけ左右で厚みの近いものを選んでおくと安心です。片方だけ厚みのある端材を使ってしまうと、その段だけ板が斜めになったり、荷重が偏って一箇所に集中したりしやすくなるためです。
桟を入れる間隔は、60〜90cmくらいが目安とされています。長い板を桟1本だけで支えると、その部分に力が集中してしまい、かえって反りを助長することもあるので、間隔はあまり空けすぎない方が無難だと思います。たとえば合板でよく流通しているサブロク板(910×1820mm)に当てはめると、両端の2本だけで間隔を約91cmにするより、中央にもう1本足して4本・間隔約61cmにする方が目安に収まりやすい計算になります。910mm程度の短い板なら両端の2本で間隔約91cmになりますが、これくらいなら実用上大きく外れるものではないと思います。板の長さごとに毎回細かく計算し直さなくても、両手を広げたくらいの間隔を目安に、そこから板の長さに合わせて本数を増減させるくらいの感覚で十分だと思います。
何枚も重ねて桟積みにした場合は、一番上の板にさらに重しを乗せておくという方法もあります。木材は乾燥が進むにつれて反ろうとする力がかかるので、上から重さをかけておくことで、その動きを物理的に抑え込むイメージです。積み重ねた木材全体の反り返りを抑える効果が期待できるやり方で、高さのあるスタックを長い期間置いておくときは、私ならやっておくと思います。ただし重しの重さや素材について明確な目安までは確認できなかったので、身近にあるコンクリートブロックなど、ある程度重さのあるものを乗せておく程度に考えておけば十分だと思います。重ねる板の枚数が少ないうちは、重し自体はそこまで神経質にならなくてもいいはずです。時間があるときに重しの位置を少しずらしておくと、一箇所だけに力がかかり続けるのも防ぎやすいと思います。
木表・木裏の向き
向きについては、一番下の板は木表を下に、その上に重ねる板は木裏を下に向けるとよいという考え方があります。木表と木裏で乾湿の出方が違うため、向きをそろえて重ねるより交互にする方が反りにくい、という理屈です。木表と木裏の見分け方としては、板の木口(切り口)に出ている年輪の向きを見るとわかりやすく、年輪の弧が山型に盛り上がっている側が木表、反対にへこんで見える側が木裏です。桟積みで重ねる前に木口をひと目確認しておくだけなら、それほど手間もかからないと思います。ここまで神経質にならなくても実用上は困らないことも多いですが、しばらくしまっておくつもりなら意識しておいて損はないと思います。集成材や合板は繊維方向を交差させて貼り合わせてある分、無垢材ほど反りやすくないので、木表・木裏の向きや桟の間隔にそこまで気を使わなくても実用上の問題は出にくいと考えられます。ただし合板もまったく反らないわけではないので、桟を挟んで風を通すという基本自体は無垢材と変える必要はありません。合板や集成材は無垢材よりサイズが大きく重量も増えやすいので、桟の位置がずれると持ち上げるときに不安定になりやすい点は、無垢材以上に気をつけておきたいところです。
屋外で保管するときの注意
屋外で桟積みにする場合、ブルーシートで覆っておくと一見安心に見えますが、隙間なく全体を密閉してしまうと逆に湿気を閉じ込めてしまうことがあります。シートは雨を通さない代わりに湿気も外に逃がさないので、密閉した内側だけ湿気がこもってしまう、という理屈です。上だけ雨よけをして、側面は風が抜けるようにしておく方が、私は扱いやすいと思います。時々シートをめくって下の方まで湿気がこもっていないか確認する習慣をつけておくと、気づかないうちにカビが進んでいた、という事態は避けやすくなります。コンクリートや土間の上に直接桟積みする場合は、土台として桟木を2本敷いてから板を重ねていく形でも構わないとされています。屋内のフローリングのような乾いた床であれば、ここまで気を使わなくても、桟積みそのものの風通しの効果は変わらないはずです。ガレージの土間なども屋外に近い環境になりやすいので、フローリングの部屋と同じ感覚で油断せず、屋外側の考え方を当てはめておいた方が安全だと思います。
立てかけて保管するときの置き方
なるべく垂直に近い角度で立てる
スペースの都合で板を壁に立てかける場合は、斜めに寝かせすぎず、なるべく垂直に近い角度で立てるとよいとされています。角度がついたまま長く置いておくと、下端に重みがかかり続け、そこから反りやゆがみが出やすくなるためです。目安としては、壁との角度を80〜85度くらい、つまりほぼ垂直に近い角度にしておくと安心だと思います。この角度は今のところ一つの情報源で確認できた数値なので、絶対に守るべき基準というより、立てる角度に迷ったときの参考程度に考えておくとよさそうです。厳密に分度器で測る必要はなく、目測でほぼ垂直に近づけておく程度で十分だと思います。角度を垂直に近づけるほど自重による負荷は軽くなるとされているので、迷ったら少し急めに立てておく方が私は安心できます。そもそも立てかけ保管は自分の重みを受けて曲がりやすくなる置き方なので、平置きより反りのリスクが高めだと考えておいた方がよさそうです。幅の狭い板や角材は立てかけに向きますが、幅の広い板を無理に立てかけると反りが出やすくなるので、そういう板は2章の桟積みに回す方が向いていると思います。立てかけと平置きでどちらが反りやすいかという傾向自体は複数の情報源で共通して見られますが、具体的にどれくらい差が出るかまでの数字は確認できていないので、あくまで傾向として捉えておくのがよいと思います。複数枚まとめて立てかけるときは、板同士がぴったり密着したままにせず、間に薄い端材を挟んでおくと風通しも保ちやすくなります。スペーサーは特別な道具でなくてよく、手元にある端材で十分だと思います。
下端が滑って倒れないよう、壁との間に何か挟むか、ずれにくい場所を選んでおくと安心です。厚みのある端材やゴム製の当て木などを受け台代わりに下へ置いておくだけでも、板が横に滑ってずれるのを防ぎやすくなります。板が長くなるほど下端の支えだけでは心もとなくなってくるので、上の方をロープやバンドで軽く固定しておくと、保管しているうちに横へずれて倒れてくるのを防ぎやすくなります。下端の滑り止めと上部の固定は役割が少し違っていて、下端は倒れそのものを防ぐため、上部は横ずれを防ぐためのものだと考えておくと、両方やっておく意味がはっきりすると思います。
木表を壁側に向ける
立てかけるときも、木表を壁側に向けるとよいという考え方があります。平置きのときと同じで、乾湿の出方の違いを利用する考え方です。木表を壁側、木裏を外側にしておくと、外側の木裏側にテンションがかかる形になり、反りを最小限に抑えられるという理屈のようです。厳密に守らないと必ず反るというほどではないと思いますが、意識しておいて損はないはずです。特に長期間同じ向きのまま置いておく場合ほど、この差が結果に表れやすくなると考えられます。
定期的に裏表を入れ替える
長期間同じ向きのまま立てかけていると、片面だけに負荷がかかり続けます。思い出したときで構わないので、たまに裏表を入れ替えてあげると、片寄りを防ぎやすくなると思います。太い角材より幅の広い板を立てかけている場合は、自重の影響を受けやすい分、入れ替えの頻度を少し高めにしておくと安心かもしれません。次に使う予定が決まっていない板ほど、立てかけたまま存在を忘れがちなので、月に一度くらいは様子を見るタイミングを決めておくのもひとつの方法です。
そもそも立てかけ保管は、スペースを取らずに済ませるための手段であって、長期間の保管には向かないとされています。数週間以上使う予定が決まっていない板については、無理に立てかけたままにせず、2章で紹介した平置きに切り替える方が向いていると思います。逆に、近いうちに使う予定がはっきりしている板を、それまでの間だけ立てかけておくくらいであれば、そこまで気にしすぎなくてよいはずです。
保管場所はどこを選ぶべきか
湿度の目安
木材の保管に向いているのは、おおむね湿度40〜60%程度の場所とされています。これより湿度が高い状態が続くと、反りやカビ、腐敗につながりやすくなります。特に湿度が60%を超えてくると、カビが活発に増殖し始めるといわれているので、このあたりが一つの目安になりそうです。とはいえ、家庭で湿度計をこまめにチェックしている人はそう多くないはずなので、数値そのものより「風通しがよいかどうか」を基準に選ぶ方が現実的だと思います。保管場所に温湿度計を一つ置いておくと、体感だけに頼らず湿気の状態を数値で確認できて安心です。
湿度を下げる工夫としては、除湿剤と調湿剤を使い分けるという考え方もあります。除湿剤は水分を吸うと吐き出さない使い切りタイプで、押入れやクローゼットのような狭い収納スペースに向いているとされています。一方の調湿剤は、湿度が高いときに吸って低いときに放出するので、繰り返し使えるのが特徴です。木材をしまっている場所が狭いクローゼットのようなところなら、すのこを敷いた上に除湿剤を置いておくくらいの組み合わせが、実践としては取り入れやすいと思います。このほかにも、床下専用の調湿剤や、室内の調湿・脱臭に使われる珪藻土のような製品を組み合わせる方法もあります。トランクルームのようにある程度の広さがある空間になると、置き型の除湿剤だけでは湿気の量に追いつかないこともあるので、除湿機を併用して空間全体の湿度そのものをコントロールするという考え方も選択肢の一つになりそうです。保管スペースが狭いクローゼットなのか、それとも人が出入りできるくらいの広さがあるトランクルームなのかによって、除湿剤中心で様子を見るか除湿機まで検討するかが変わってくると考えておくとよさそうです。
物置やトランクルームのように密閉性の高い場所に保管している場合は、置きっぱなしにせず、たまに空気を入れ替える習慣をつけておいた方がよさそうです。晴れて空気が乾いている日の午前中に、1〜2時間ほど扉を開けておくと効果的だといわれています。逆に雨の日や雨上がり直後は外の空気の方が湿っていることが多いので、このタイミングで扉を開けると、かえって湿気を呼び込んでしまうことがあります。換気口がある場合は、その周りを荷物でふさいでしまわないようにしておくのも忘れずにいたいところです。梅雨時期や湿気がこもりやすい季節だけでも、こうした換気のタイミングを意識するだけでだいぶ違ってくるはずです。
床に直置きしない
コンクリートの床などに木材を直接置くと、床面の湿気や結露を吸い上げてしまい、カビの原因になりやすくなります。すのこや角材を敷いて少し浮かせておくだけでも、状況はかなり変わってくるはずです。もともと湿気がこもりやすいガレージやベランダほど、この一手間の効果を感じやすいと思います。
地面に近い場所は湿気がたまりやすいだけでなく、シロアリが好む環境にもなりやすいとされています。庭先などに放置された廃材が気づかないうちにシロアリの被害を受けやすいのも、湿気と日陰が重なりやすい場所に置かれがちだからのようです。カビだけでなく、こうした虫害を避ける意味でも、床から少し浮かせて風を通しておいた方が安心だと思います。シロアリは暗くて湿った場所を好むといわれているので、地面に近いだけでなく光もあまり入らない場所は、それだけ注意が必要になってきます。物置の奥まった一角や建物の北側など、日当たりが悪く湿気がこもりやすい場所に木材を置いている場合は、床から浮かせる工夫に加えて、置き場所そのものを見直す価値もありそうです。
直射日光を避ける
直射日光が当たり続ける場所も、表面だけが乾燥しやすくなるので避けた方が無難です。日差しと風通しの両方を考えると、屋根はあるけれど外気は抜ける場所というのが、保管場所としては扱いやすいと思います。物置の奥で空気がまったく動かない場所より、多少雨風がしのげる軒下のような場所の方が、結果的にちょうどいいこともあります。
屋内型のトランクルームを使う場合は、雨風にさらされる心配がなく、好きなときに出し入れできる点は便利です。ただし密閉された収納スペースは換気や空調の設備が十分でないことも多く、便利さと引き換えに湿気がこもりやすくなる面もある、と考えておいた方がよさそうです。屋根の有無・雨風を避けられるか・風が通るか、という3つの軸で候補を見比べながら、自分の環境に合った場所を選ぶのがよいと思います。
増えていく端材をどう整理するか
サイズ別に分ける
端材が増えてくると、棚のどこに何があるのか自分でも把握できなくなりがちです。まずは大きめの端材と小さい端材を分けておくだけでも、次に何か作るときの探しやすさはかなり変わります。棚板や側板になりそうな厚みのある端材はまとまった場所に置いておくと、次に何か作ろうと思い立ったときに目星がつけやすくなりますし、手のひらに乗るくらいの小さな端材は数が増えてほかの端材に紛れやすいので、最初に大きさで一段仕切っておくと、あとで探す自分が楽になります。
実際に端材専用の棚を自作した例では、幅1500ミリ・奥行400ミリほどの棚を組み、下段に小物用の箱を組み込むことで、大きい端材と細かい端材をひとつの棚の中ではっきり分けて収納しています。棚を一から作らなくても、今ある棚の一角に箱をひとつ置くだけで、同じような分け方は真似しやすいと思います。
用途別に分ける
サイズだけでなく、棚づくりに使えそうな板と、下地や補強に回す細切れ、といった用途別の分け方を組み合わせると、管理はもう一段しやすくなります。用途がはっきりしている端材は、次に似たような作業をするときにわざわざ新しい木材を買わずに済むこともあるので、分けておく価値は意外とあると思います。厳密に分類する必要はなく、自分が探すときに迷わない程度で十分です。
サイズや用途で分けたあと、端材の木口に寸法をペンで直接書き込んでおくという工夫をしている実例もあります。棚に並べた状態で木口に数字が見えていれば、いちいち取り出して測り直さなくても長さの見当がつきます。ラベルを別に用意する手間もかからないので、サイズ別・用途別に分けた棚にもう一段の見つけやすさを足せる工夫として、取り入れやすいと思います。
収納スペースを圧迫しないための工夫
具体的な棚や箱の作り方は人によって工夫の幅が大きいので、この記事では踏み込みません。ただ「置き場所を先に決めて、そこに入る分だけ残す」という考え方自体は、端材整理の土台になると思います。
収納の形については、オープンな棚に並べる方法と、箱や布製のバッグにまとめて入れる方法の二通りが実例としてよく見られます。オープン棚は長さや種類ごとに並べておけるので、作業に取り掛かるときに探しやすいのが利点です。一方、箱や袋にまとめる方法は、細かい端材がいったん視界から隠れるので、作業スペース全体がすっきりして見えるという利点があります。
隠す収納の中身は、必ずしも既製品の収納ボックスでなくてもいいところもポイントです。実例では、厚手の布で作ったストックバッグ、ブリキのバケツ、使い終わった米袋をリメイクした袋など、身近にあるものがそのまま端材入れとして使われています。専用の収納用品をわざわざ買いそろえなくても、家にあるものを転用するところから隠す収納は始められるということだと思います。バケツのように口が広い容器は出し入れがしやすく、袋タイプは中身に合わせて形が変わるので隙間になりやすいスペースにも収まりやすい、といった違いもあるので、置きたい場所の形に合わせて容器を選ぶとよさそうです。
どちらが正解というわけでもなく、作業スペースを見せておきたいか、隠してすっきりさせたいかで選べばいいと思います。よく使う定番サイズは棚に、それ以外の細かいものは箱にまとめておくという組み合わせ方も現実的だと思います。箱や棚がいっぱいになったタイミングで一度中身を見直す、という区切りを決めておくと、際限なく増え続けるのを防ぎやすくなります。見直すときは、しばらく手をつけていない端材から先に検討すると判断に迷いにくく、逆に長さの見当がつきやすい定番サイズは残す、というふうに基準を決めておくと、次の見直しのときも同じ考え方で進められます。
端材はどこまで取っておくべきか
再利用できそうなサイズか
小さすぎる端材は、次に使う場面を思い浮かべにくいものです。何かの下地や補強くらいにしか使えなさそうなサイズなら、無理に取っておかなくてもいいと個人的には思います。逆に、棚板や箱の側面など、次のプロジェクトで具体的な使い道がすぐ浮かぶサイズなら、取っておく理由がはっきりしているので残す判断がしやすいはずです。
「いつか使うかもしれない」と迷う端材については、手放したあとの入手しやすさも判断材料になります。ホームセンターには端材をまとめて安く売る端材コーナーが用意されていることが多く、価格帯はおおむね100〜300円程度、合板など大きめの端材でも500円前後で買えることが少なくありません。カインズのように、袋に端材を詰め放題で購入できるサービスを設けている店舗もあるようです。ただし端材コーナーの品ぞろえは日によってばらつきがあり、木材カットサービスの利用が増える土日や、棚が補充された直後の時間帯の方が、使えそうなサイズの端材に出会いやすいようです。特に大きめの合板の端材は数が少なく、見つけたときに確保しておかないとすぐになくなってしまうこともあるようです。同じくらいのサイズが必要になったとき数百円で買い直せるなら、迷っている端材は思い切って手放しても、そこまで大きな損にはならないと思います。ただし、買い直せるのはあくまで一般的なサイズの端材であって、たまたま手元にある変わった形や厚みのものまで同じように買い直せるとは限らない点は留意しておきたいところです。
ただ、端材は元の板より小さく端に近い位置へビスを打つことが多いので、いざ再利用するときは木材にビスを打つと割れる原因と対策や下穴を開けておく必要性も合わせて確認しておくと、せっかく残した端材を割ってしまう心配を減らせます。


保管コストに見合っているか
端材を置いておくにも、スペースというコストがかかります。「いつか使うかもしれない」で際限なく増やしていくと、結局スペースを圧迫して次の作業がやりにくくなることもあるので、置く場所に見合う量かどうかは意識しておきたいところです。
先ほどの端材コーナーのように安く買い直せる選択肢があることを踏まえると、迷っている端材まで無理に抱え込んでスペースを圧迫するより、必要になったときに買い直す前提で手放す方が、結果的に楽になる場合も多いと思います。棚一段分と決めてしまい、そこからあふれた分から見直すくらいの割り切りでも、案外うまく回ると思います。
処分するときの判断
何ヶ月も出番がなかった端材は、そのまま出番が来ない可能性の方が高いと思います。サイズや用途で分けて整理してみて、それでも使い道が思い浮かばないものから手放していくくらいの線引きで、ちょうどいいのではないでしょうか。
手放すときの処分方法についても触れておきます。小さい端材は自治体のルールに従えば一般ごみとして出せる場合が多いですが、燃えるごみと粗大ごみを分けるサイズの基準は自治体によって異なります。たとえば大阪市では最大の辺または径が30cm以下かどうか、京都市では袋に入れて片手で持てる重さかどうか、奈良市では径5cm以下かどうかを基準にしているというように、自治体によって判断のものさし自体が違います。お住まいの自治体のごみ分別のルールを一度確認しておくと、処分するときに迷わずに済むと思います。
もう一点、端材に釘やネジ、金具などが残っている場合は、そのままでは出せず取り除く必要があることが多いので、処分する前に確認しておいた方がよさそうです。切って小さくしたつもりでも、自治体によっては元の大きさを基準に粗大ごみ扱いになることもあるので、サイズを詰めれば必ず普通ごみになるとは限らない点も覚えておきたいところです。
まとめ
木材の保管で気をつけたいのは、風通しを確保すること、直置きや直射日光を避けること、そして片面だけに負荷をかけ続けないことです。平置きなら桟積み、立てかけるなら角度と向きを意識するだけで、反りやカビはかなり防げます。
端材については、サイズ・用途で分けて整理しつつ、置き場所に見合う量かどうかを基準に取捨選択していくと、増え続けて収拾がつかなくなる事態を避けやすくなると思います。

